糸、42本 ページ49
そうして、ハンター試験は終わりを迎えた。
＿＿＿＿
講習を軽く受けた受験者らは各々会場を去っていく。
回復したゴンはクラピカさんとレオリオさんの元で楽しそうに何かを調べている。
「あー、ちょいといいかい？」
柱の陰で彼らを見ていた私の後ろに、ハンゾーさんが頬を掻きながら立っていた。
照れているのか、少し頬が赤い。
「…あの時はありがうございました、ハンゾーさん。なんとお礼をしたらいいか考えていたのですが、何も浮かばなくて……」
深く頭を下げるとハンゾーさんは慌てたように頭を上げるように言った。
「いいっていいって！俺が勝手にやった事だ、そんなに堅く考えないでくれ。」
「そう…ですか……。でも……」
「ああああ！じゃあ、じゃあ！今度アンタがジャポンに来ることがあったら、俺に案内させてくれ！これ俺の連絡先な。」
木製の薄い板にはジャポンという国の文字で『半蔵』と書かれていた。きっとこれがハンゾーさんの本来の名前の文字なのだろう。
昔読んだ本の文字と似ている。
「ありがとうございます。ジャポンに行く際は必ず、連絡させて頂きますね。」
薄い板を大切に両手で包み、ハンゾーさんとまた目を合わせる。先程から赤かった頬にもっと赤みがかかった…気がした。
「お、おう！じゃあ……またな。」
「はい。お元気で、神の御加護があらんことを。」
そう言い、互いに手を振るとハンゾーさんは少し微笑んで歩き出した。いつか彼に会いに、ジャポンに行ってみようと思う。その時は主様も一緒に。
＿＿＿＿主様？
しまった、私とした事が忘れていた。
すぐさま携帯を取り出し、たった一つしかない連絡先を呼び出す。
無機質で一定的な音を聴きながら、どれから報告しようと考えを巡らせていた。
学んだ事が多かった試験はとても刺激的で、新鮮なものだった。
……初めてお友達というものが出来た。
＿＿＿＿A、合格おめでとう。
音が途切れた途端、電話の向こうの主様がそう言った。
「ありがとうございます、主様…！」
きっと信じていて下さったのだ、私が合格する事を。……これ程嬉しく、光栄な事は無い。
＿＿＿＿それで、試験はどうだった。
「……！」
勢いよく振り返った。
主様の声がいきなり近くなって、夢じゃないかと自身を疑ってしまう。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪寝子(プロフ) - たぬぽこ//tanupokoさん» ありがとうございますゥウウウウウウ！！！！ヒソカ×夢主書いててすごく楽しくて……！更新頑張ります！ (2019年3月26日 0時) (
レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
たぬぽこ//tanupoko(プロフ) - コメント失礼します！夢主ちゃん可愛いくて可愛いくて……初心な彼女をヒソカがいじって喜んでいるところが大好きです！これからのヒソカと夢主ちゃんとの絡みが楽しみです！(それ以外の方との絡みも大好きですよ) 更新されたらまた飛んで来ますね☆ (2019年3月25日 23時) (レス) id: 7891f007bf (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - ヒガンバナさん» ンンンンンンンン(悶)ありがとうございます〜ッッッ！！！！！！！更新頑張ります！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
ヒガンバナ(プロフ) - めっちゃくちゃ！お！も！し！ろ！いいいい！最高です！更新を楽しみにしています！頑張ってください！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 5d73287e24 (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - 鈴切丸さん» わわわありがとうございます〜！更新頑張ります！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪寝子 | 作成日時：2017年12月17日 15時
