糸、17本 ページ20
最後尾であったAが部屋に入った途端扉は音を立てて閉まり、鍵がかけられた。
その部屋は質素で、暇を潰せる程度の物＿＿テレビや本などが置いてあった。
50時間を示す壁のタイマーには未だ動く気配がない。
「気になったのだが…キルア。先程のはどうやったんだ？」
初めに口を開いたのはクラピカだった。
先程のというのはジョネス戦の時の心臓を抉り出した業の事である。
ゾルディック家と多少面識のあったAは知っていた為、聞く耳を持たず本棚を見ていた。
「ああ、あれ？ちょっと改造したんだよ。でも親父は血も出さないで取れるぜ。」
キルアは変形した手を戻すとAの名を呼んだ。
「あの穴何？能力がどうとか言ってたけど。｣
「…今は知る必要はありませんよ。」
表情を変えないAに対してキルアは何だか腑に落ちないような表情をして壁際の長座椅子に腰を落とした。
「…私も聞きたいことがある。」
中性的な声がくぐもった。
返事はせずにクラピカに顔を向けたAは先程と同じで無表情だ。
「蜘蛛の、仲間か。」
緋色の双眸がAを捉えて復讐の炎が奥で燃えていた。
緋の眼は初めて見たと、冷静なA。
返答次第では殺す事も厭わないと、激昴するクラピカ。
どうにかして宥めようと、焦るレオリオとゴン。
「どうなんだ！答えろ！！！」
「クラピカ！やめようよ！」
2つつなぎの木刀を構え、切っ先を向けるクラピカ。
Aはひとつため息を零してクラピカに向き直った。
＿＿＿＿「あの方々は私の恩人です。」
仲間なんてそんな烏滸がましいと言葉が続いた。
そう、Aにとっての幻影旅団は飽くまで恩人。その恩人に恩を返そうと旅団に仕えているのだ。
仲間と名乗るのは恩人に対し烏滸がましいと本人が決めたのだ。
…その恩人達の長であるクロロはAをどう思っているのかAは知る由もない。
「あいつらが、恩人…だと…」
「ええ。私を救って下さった、私の救済者です。」
祈る様に手を組むAは頭の隅で独りごちた。
Aの恩人への奉公は些か狂気じみていた。
…彼女の言う『奉公』とは、言い換えれば『旅団への脅威となり得るものを排除する』事である。
"
それが彼女なりに考えた恩人達への最大の恩返しであった。
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雪寝子(プロフ) - たぬぽこ//tanupokoさん» ありがとうございますゥウウウウウウ！！！！ヒソカ×夢主書いててすごく楽しくて……！更新頑張ります！ (2019年3月26日 0時) (
レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
たぬぽこ//tanupoko(プロフ) - コメント失礼します！夢主ちゃん可愛いくて可愛いくて……初心な彼女をヒソカがいじって喜んでいるところが大好きです！これからのヒソカと夢主ちゃんとの絡みが楽しみです！(それ以外の方との絡みも大好きですよ) 更新されたらまた飛んで来ますね☆ (2019年3月25日 23時) (レス) id: 7891f007bf (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - ヒガンバナさん» ンンンンンンンン(悶)ありがとうございます〜ッッッ！！！！！！！更新頑張ります！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
ヒガンバナ(プロフ) - めっちゃくちゃ！お！も！し！ろ！いいいい！最高です！更新を楽しみにしています！頑張ってください！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 5d73287e24 (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - 鈴切丸さん» わわわありがとうございます〜！更新頑張ります！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪寝子 | 作成日時：2017年12月17日 15時
