糸、9本 ページ11
____何故こうなった。
何故、私はヒソカ様の胡座の中にいるのか。
二次試験に一度落ちたのだが、会長がやり直しを許可して課題をこなし無事合格。
一応料理には自信があったのだが、流石美食ハンター、舌が肥えている。
第三次試験会場へ向かうべく、私達受験者は飛行船に乗った。
ごおんごおんと飛行船が唸りを上げる中、私はヒソカ様に捕まって胡座の中へ。
何故こうならなければいけないのか聞いても秘密としか返ってこない。
…正直に言うと、部屋に戻りたい。
がっちりと捕まっている腕をどうにかできないものか。
「あの、ヒソカ様。」
「なんだい?♢」
「離して頂けませんか。」
「嫌だ♣」
…どうしたものか。
さっきから耳にかかる息が擽ったいし、腰に回された手も時々動いて擽ったい。
「…っ。」
「おや♣どうしたんだいA?♢」
「…貴方、分かってますよね。確信犯というやつですか。」
「くく、さぁねぇ。」
ふぅ、とかけられた息。
びくりと反応してしまう体。
「意外だなぁ、Aがここ弱いなんて…♣」
「分かったならもう離して頂けませんか、元と言っても聖職者にする事ではありませんよ。」
「くく、はいはい。」
離して貰ってすぐに立ち上がり、ヒソカ様を振り返えらずに部屋への廊下を歩いた。
____
女性受験者にのみ用意された部屋。
一人用にしては丁度いいと言うより、広すぎる。
備え付けのソファに座り、そっと目を閉じる。
『花嫁』と忌み嫌う声
『厄災』と蔑む声
その中から、救って下さったのは他ならぬ主様。
差し出されたあの手は正に救いの手だった。
閉じていた目をそっと開けて、主様へ祈った。
「…何時、如何なる時も、私は貴方様への忠誠を誓います。」
救って頂いた、その恩を命尽きるまで返す。
あの日からの決意に揺るぎはない。
揺らいでいない事に少し安堵し、立ち上がる。
先程から殺気が漏れていて気分が悪いのだ。
誰が何をやっているのかは知らないけれど、無差別に殺気を向けられても困る。
絶をして部屋の扉を開けると、廊下にキルアの後ろ姿があった。
他の受験者にぶつかったらしく、絡まれている。
下らなくて扉を閉めようと思った次の瞬間、
絡んでいた男性達が血を吹き出して倒れた。
見た所、あれは手を変形させてやったのだろう。
「…ゾルディック家、か。」
あの手と銀髪。
キルアはゾルディック家の跡取りだと確信した瞬間だった。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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雪寝子(プロフ) - たぬぽこ//tanupokoさん» ありがとうございますゥウウウウウウ!!!!ヒソカ×夢主書いててすごく楽しくて……!更新頑張ります! (2019年3月26日 0時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
たぬぽこ//tanupoko(プロフ) - コメント失礼します!夢主ちゃん可愛いくて可愛いくて……初心な彼女をヒソカがいじって喜んでいるところが大好きです!これからのヒソカと夢主ちゃんとの絡みが楽しみです!(それ以外の方との絡みも大好きですよ) 更新されたらまた飛んで来ますね☆ (2019年3月25日 23時) (レス) id: 7891f007bf (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - ヒガンバナさん» ンンンンンンンン(悶)ありがとうございます〜ッッッ!!!!!!!更新頑張ります! (2019年3月23日 15時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
ヒガンバナ(プロフ) - めっちゃくちゃ!お!も!し!ろ!いいいい!最高です!更新を楽しみにしています!頑張ってください! (2019年3月23日 15時) (レス) id: 5d73287e24 (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - 鈴切丸さん» わわわありがとうございます〜!更新頑張ります! (2019年1月13日 14時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪寝子 | 作成日時:2017年12月17日 15時