糸、19本 ページ23
「……ある国のお話をしましょう。」
質問の答えではなかったからかクラピカさんは少し眉をひそめたが、何も言って来なかった為言葉を続けた。
＿＿＿＿それは、いる筈の無いものを盲信的に崇め続ける国の御伽噺。
その国は平和だった。
毎日毎日平和だった。
ごく普通の、長閑な国。
人々は誰もが笑い、悲しげな顔をする者は誰一人として居なかった。
その国＿＿＿カルスブルクは幸せの国だった。
カルスブルクはどの国よりも宗教信仰が盛んで、国民が同じ神を崇めている。
国民の名は神が与え、国民は名の代償として神に恩義を返す。
ただ、数百年に一度。
神は国民から花嫁を選ぶ。
喜ばしい反面、国民は生まれてくる自分の子では無い事を必死で願った。
……とある一家の赤子は、花嫁に選ばれた。
すると赤子は親の元から引き離され、国の本教会の地下に幽閉された。
それは神の元へ行く為の修行と説明された。
＿＿本来の目的は説明されないまま。
地下空間の孤独と数少ない食事など、幼子には耐え難いような物ばかりだった。
そんな環境下でも赤子は成長し物心ついた頃、神はお祝いとして不思議な力を授けた。
その力で人々を救い、導けと。
だが、授かった力は厄災の予兆と勘違いした教会の師父は花嫁を牢に入れ、彼女の自由を奪った。
彼女は深く悲しんだ。
私が何をしたのと、涙ながらに暗い牢の奥で嘆いた。
それから彼女の涙は涸れてしまった。
彼女は希望を持つことをやめたのだ。
毎日国の平和を祈り、食事をして、祈って、眠る。
ただそれだけを繰り返していた。
彼女は何も求めず、何も恨まず。
ただ国の平和だけを祈って、静かにその命を終えた。
静かに祝福され、神の御元へ逝ってしまった。
その日、滅多にならない教会の鐘がりーん、ごーん。
りーん、ごーんと高らかに祝福の歌を歌っていた。
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あずきいろ
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雪寝子(プロフ) - たぬぽこ//tanupokoさん» ありがとうございますゥウウウウウウ！！！！ヒソカ×夢主書いててすごく楽しくて……！更新頑張ります！ (2019年3月26日 0時) (
レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
たぬぽこ//tanupoko(プロフ) - コメント失礼します！夢主ちゃん可愛いくて可愛いくて……初心な彼女をヒソカがいじって喜んでいるところが大好きです！これからのヒソカと夢主ちゃんとの絡みが楽しみです！(それ以外の方との絡みも大好きですよ) 更新されたらまた飛んで来ますね☆ (2019年3月25日 23時) (レス) id: 7891f007bf (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - ヒガンバナさん» ンンンンンンンン(悶)ありがとうございます〜ッッッ！！！！！！！更新頑張ります！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
ヒガンバナ(プロフ) - めっちゃくちゃ！お！も！し！ろ！いいいい！最高です！更新を楽しみにしています！頑張ってください！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 5d73287e24 (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - 鈴切丸さん» わわわありがとうございます〜！更新頑張ります！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪寝子 | 作成日時：2017年12月17日 15時
