解せぬ……34 ページ6
貴方side
『……よし！ これで、今日の分はおしまいね』
｢っはぁぁ……終わった……｣
おしまいだと言うと影山くんは大きなため息をついて後ろへ体重をかたむける。
私は今回影山くんが間違えた問題をふせんに書いて、影山くんの問題集にペタリと貼る。
次に影山くんに教える人が困らないようにするためだ。
『はい、次教えてもらう人にこのメモちゃんとと見せてね』
｢……おう｣
一言添えて問題集を返すと、渋々といった感じで彼は返事を返した。
きっと、次は月島くんに教えてもらうのだろう。
｢……お、終わったー！｣
｢よし！ これから坂ノ下商店にでも行って肉まんでも食いに行くかー！｣
翔陽くん達も勉強が終わったようで、荷物をまとめると私達にそう言ってきた。
先程まで勉強に大苦戦していたとは思えないくらいの元気のよさである。
そんな彼を横目に荷物をまとめ、一通り片付いたかなと鞄のふたを閉める。
すると、
｢Aは来るかー？｣
と坂ノ下商店へのお誘いがきた。
ーーー
『……本当は行きたかったんだけどな』
帰り道、私は誰もいない通学路でトボトボと歩きながらポツリと呟いた。
誘われた後、私は"今日お財布を持ってきていない"と嘘をつき、皆に別れを告げた。
本当は鞄のなかにお財布はあったのだが。
しかし、私には帰ってからもまりちゃんの課題や、自分の試験勉強があった。
(まあ、仕方ないか……)
私はそう割りきり、少し思い足取りで家まで歩いて帰ったのだった。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます！お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします！ (2020年5月12日 7時) (
レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬景色 | 作成日時：2020年5月9日 8時
