解せぬ……33 ページ5
貴方side
『……あぁ……、うん……』
｢少しはできると思ってたんだけど……｣
机には赤ペンで0と書かれている数枚の紙。
それを覗きこむ六人の影。
今、現在進行形で私達は高い壁の前にいた。
『前、みっちりしごかれたって聞いてたんだけど……？』
｢返す言葉もゴザイマセン……｣
私がそう質問すると、下をむいたまま翔陽くんが弱々しい声で返事をした。
｢今回の考査も苦労するね｣
忠くんがボソリと口に出す。
私はその言葉に苦笑いをした。
そう。
私が高い壁と比喩したものは、定期考査のことである。
ーーー
『影山くん、この問題はね……』
｢……おう｣
考査の一週間前から、部活は禁止となる。
部活の時間を勉強にあてることで、今回の考査の二人の赤点を回避しようと試みた。
当番制で、私と仁花、月島くんと忠くんで一日交代。
『＿＿だから、この文を抜き出すの』
｢おう｣
『じゃあ、この問題解いてみて』
いつもより難しい(怖い)顔をして問題と向き合い、シャーペンを走らせる影山くん。
一分弱ほど経ち、彼は私にできたと言い、問題をこちらに見せる。
『……うん、惜しい』
『ええとね、この単語は、これでセットだから切り離したらダメなんだよ』
｢……わかった｣
紙に書いて分かりやすくすると、影山くんは少し経ってから理解をする。
次の問題が済んだら休憩をしようと励まし、次の問題へと移った。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます！お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします！ (2020年5月12日 7時) (
レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬景色 | 作成日時：2020年5月9日 8時
