解せぬ……40 ページ12
貴方side
テスト自体は問題なく進み、三日ほどかけて考査が行われた。
そしてやっと迎えた考査最終日。
「……終わり! 速やかにペンを置いて後ろから集めてきなさい!」
先生のその声ひとつで張りつめていた空気が一気に緩み、クラスメイト達がざわざわと話し出す。
「テストは終わったが、まだ授業があるからな。気を抜かないように!」
先生はそう私達に言い、やっとのことでテストが終わった。
最後の教科のテストが終わり、ぐでーんとのびているまりちゃんの所へ向かう。
「今回のテストもやばい……」
彼女はそう呟いてさもこの世の終わりだと言いたげな顔をこちらへ向ける。
私はそれを見て苦笑いで返すことしかできなかった。
ーーー
お昼休憩。
私達は翔陽くんと影山くんと向かい合わせになるよう座り、彼らが話すのを待っていた。
「……俺らまだ一教科しか返ってきてないんだけど」
「いいから見せて」
翔陽くんが口を開けたと思えば、それに反応するように月島くんが返事をする。
ススス、と差し出されたテストの点数を四人で覗く。
科学 日向翔陽 32/100点
現代文 影山飛雄 40/100点
その点数に私達はおおっ、と声を漏らす。
初めに小テストで0点を持ってきたとは思えないほど点数が良くなっている。
教えてきたかいがあった。
『すごい、すごいよ!』
二人にそう言うと、先程の不安げな顔がすぐに明るいものへと変わっていった。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます!お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします! (2020年5月12日 7時) (レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬景色 | 作成日時:2020年5月9日 8時