解せぬ……42 ページ14
貴方side
現在、ミニゲームの記録を録っている。
キュッ、キュッ、となるシューズや、スパイクを決めたときに鳴るボールの音がなんとも心地よい。
昨日までまりちゃんの宿題を深夜までやっていたのもあいまって、だんだんと眠気が私を襲う。
目を擦りながら記録を録っていると、後ろから肩をぽんと叩かれた。
「ねぇ、A、聞こえてる?」
『……っ、え?』
後ろを振り返ると、大量のドリンクを持った仁花が立っていた。
(私、声をかけられたことも、そこに人の気配があることにも気づけなかったの?)
大分重症かも知れない、と自分の体調が今更ながらに心配になる。
『本当にごめん、少し考え事してて……』
「ううん、気を付けてね。先輩が、後で手伝ってほしいことがあるって」
『わかった』
私は仁花からドリンクを受け取り、このミニゲームが終わったら渡して、その後に潔子先輩の所へ行こうとペンを持ち直す。
もう少ししっかりしなきゃ。
私は去っていく仁花の後ろ姿を横目に、ミニゲームの様子を記録にとった。
ーーー
ミニゲームもいよいよマッチポイント。
選手の皆は気を抜くことなくボールを落とさぬよう懸命に動いていた。
(自覚したらだんだん体調が悪くなってきた……)
先程の仁花の声に気づけなかったことで、自分の体調が良くないことに気づいてから、私はだんだんと気分が悪くなっていた。
それでも記録は録らねばとズキズキ痛む頭を無視してペンを走らせる。
すると、バシン!!と勢いのある音が聞こえる。
良い音だと前を向くと、こちらへ向かってくる球体が見えた。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます!お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします! (2020年5月12日 7時) (レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬景色 | 作成日時:2020年5月9日 8時