分かりやすく ページ18
からかうにしても冗談が過ぎる。
「…悪かったって言ったのに」
カップの中のクラッカーは完全にスープと一体になってしまって、
もう殆ど感触もないスープに私はスプーンを突き立て続ける。
テーブルの上の両腕に上半身をだらんと預けて上目遣いでこちらを見てるニノくんのそのいつもと変わらない調子になんだか胸が軋りと痛む様な感じがする。
「ごめんって…言ったのに」
「そうね」
「なんなの？からかってんの？」
じーっと私を見つめていたニノくんが「はぁーっ」って大きく溜息をつくと、テーブルに預けていた上半身を起こして両腕をだらんと下ろしてシェルチェアにふんぞり返るような体制になった。
「分かんないの？」
さっきまではワンコみたいにキュルキュルした瞳の上目遣いだったのに、
今度は蔑むように見下ろされる視線に、カップの中でずっと動いていた右手が止まる。
「ほんとに分かんないの？」
蔑むような視線には呆れたような色も滲んでいる様に見える。
ふぅーっと大きく息を吐き出したニノくんが前のめりになってテーブルに肘をついて手の上に顎を乗せ真っ直ぐに私を見つめる
「分かりやすく教えてやろうか？」
「いっ…いや、いいです！！」
ダメだ、このままいたらニノくんのペースに乗せられちゃう。
カップを手に立ち上がってキッチンへ入る。
そんな様子をじーっと見てるニノくん。
「そろそろ休憩終わるから戻らなきゃ」
カップを洗おうと水を流すと、殆ど減っていないドロドロになったスープがシンクから排水溝に向かって流れていく。
スポンジを泡立てて急いでカップを洗っている間も、何も言わずこちらをじっと見ているニノくん。
「ごめんねニノくん、私行くね」
このままサロンに戻ろうと、洗い物を終えた手をタオルで拭き視線を上げるとニノくんはチェアからゆっくり立ち上がりそのままダイニングの扉の前に立った。
「A、逃げるの？」
「…いや、逃げるとか、そんなんじゃ…」
「誰もいないね」
キッチンから出ようとしていた私をそのままキッチンの中に押し戻すようにニノくんがジリジリと近づいてくる。
「こんなチャンス、"はいお疲れーって"俺が逃すと思う？」
「いや、でも…休憩時間…」
「まだ全然あるでしょ」
「…早く戻ってねって…」
「言われてないでしょ？」
「A、嘘下手すぎ」って笑いながら私を追い詰めていくニノくんはなんだか楽しそうな表情。
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扶遥-フヨウ-(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこさん、コメントありがとうございます！大好きと言っていただけてとても嬉しいです♪私は未だにどうなることかと思っています(笑)これからもこんな調子でムフフ☆な生活を書いていこうと思ってますのでこれからもよろしくお願いいたします♪ (2018年4月5日 9時) (
レス) id: 17b8377552 (このIDを非表示/違反報告)
扶遥-フヨウ-(プロフ) - まいぽんさん» まいぽんさん、コメントありがとうございます！夢中！？面白い！？マニアック！！(こら！！)連打したいだなんて…嬉しすぎる〜！のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いいたします♪ (2018年4月5日 9時) (レス) id: 17b8377552 (このIDを非表示/違反報告)
ぐちこ(プロフ) - 更新ありがとうございます！大変大好きなお話です(*^^*)シェアハウス、最初はどうなることかと思いましたが、上手くいっているようですが、ムフフですね←言い方(笑)これからも楽しみにしています☆ (2018年4月3日 21時) (レス) id: d58eef616e (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 初めまして。かなり夢中で読んでしまいました。とても面白いです。シェアハウス…なお話はいくつか読んだことがあるのですが、とても妄想を掻き立てられるお話でニヤニヤが止まりません。投票…なぜ1回しかできないのだ！連打したいくらいです。続き楽しみにしてます。 (2018年4月3日 19時) (レス) id: 523365fccd (このIDを非表示/違反報告)
扶遥-フヨウ-(プロフ) - なるちゃんさん» わーい！コメントありがとうございます！part3も楽しんでいただけますように♪ (2017年11月15日 20時) (レス) id: c35b2e6eb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：扶遥
作成日時：2017年11月14日 15時
