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「でね、本社の最上階の役員室と反対側の非常階段に出るって噂なんですよ」
「ええ、見たことあんの？」
「私はそういうの見えないみたい」
「うわ、今度本社行ったとき見てこよ。」
「怖くないの？」
「どっちかというとお化けより最上階からの景色のほうがあかんわ。」
「そうなんだ！知らなかった」
他愛のない話。
丸山さんがこれまで赴任した営業所のある街のこと。
最近読んだ本のこと
学生時代の部活のこと
私の飼っていたインコのこと
長い長い話を
丸山さんはにこにこと聞いてくれた。
気づくと店内に客は私たちだけになっていて
ひげメガネのマスターもカウンターの裏の作業スペースに
真っ白な布巾を広げはじめていた。
「そろそろ行こうか」
丸山さんがお会計を済ませてくれて
店の外に出ると、強い風が吹いて
少し酔いが醒めそうになる。
駅に向かおうとする丸山さんの腕をつかむと
驚いたような顔で振り返る。
頬が紅いのは飲みすぎたワインのせいか。
「・・・帰れません」
「え・・・何言うてんの」
「だってもう電車ないんですよ」
「え？だってまだ・・・」
そういって腕時計に目をやると
「あっ！」
と小さく驚いて浮いたリューズをぱちんと戻した。
「ごめん、早く気づいてれば」
申し訳なさそうに眉毛ハの字にして
謝る彼に私も心の中で謝った。
ちらり
小さなチリのような雪が舞って
黒いコートの肩で消えた
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ふわり∞(プロフ) - ゆうひさん！ごめんなさい、お返事が返せていませんでした。完結が先か、コロナ禍収束が先かなんて笑えないくらい遅筆でごめんなさい。続編進めていきますのでよろしくお願いします。 (2020年5月17日 19時) (
レス) id: ba308280a7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり∞(プロフ) - 丸まるさん» ありがとうございます！続編やっと1話書けましたので公開いたしました。引き続きご覧いただけると嬉しいです。 (2020年5月17日 19時) (レス) id: ba308280a7 (このIDを非表示/違反報告)
丸まる(プロフ) - いつも、楽しく読ませてもらってます。切ない気持ちとかが細かいから、直ぐに引き込まれます。！on the sideの続きを読みたいので鍵を教えてもらっても良いでしょうか？ 今後も楽しみにしてます。 (2020年5月17日 11時) (レス) id: a153ec6e2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 優柔不断なマルちゃんもそれはそれで憎めなかったりするので、やはり悪い男なのかも知れない！続きが気になります！！ (2019年12月25日 21時) (レス) id: 1f1151a94a (このIDを非表示/違反報告)
ふわり∞(プロフ) - えりかさん» 続きの続きはもうしばらくお待ちください！パソコン壊れてなかなか進まないのよー！スマホだと書きにくくて。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: ba308280a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわり∞
| 作成日時：2019年8月28日 19時
