286話 無能 ページ38
＊
趙金雲「おやおや、皆さん大変なことになってますね」
声のする方を向くと、そこには監督。
後ろにはなぜか、風丸と吹雪の姿があった。
すると、監督は指名をするように名前を呼び出した。
趙金雲「稲森く〜ん、怜奈く〜ん、氷浦く〜ん、剛陣く〜ん」
その中には怜奈の名前もあり、怜奈はキョトンとした顔で目をパチパチと瞬きさせる。
趙金雲「お疲れのところ申し訳ないんですが、風丸くんと吹雪くんと一緒にお買い物に行ってもらえませんか？」
稲森「お買い物…？」
なぜこんな状況で、こんな時にわざわざお買い物に行く必要があるのか。
そんな顔を浮かべている明日人に、監督はにっこりと笑みを浮かべる。
趙金雲「はい。
ですがその前に…」
監督は、怜奈の負傷した手を見ながら口を開く。
趙金雲「怜奈くんは先にマネージャーさんのところに行って来てください。
お買い物は怜奈くんの手当てが終わってからにしましょう」
怜奈の手首の怪我の具合を見た監督は、買い物に行かせる前に怜奈に向かって口を開く。
すると怜奈はパッと立ち上がり、慌ててトレーニングルームから退出する。
A「す、すぐに行ってきます！」
趙金雲「ああ、怜奈くん。
ひとついいですか？」
監督の言葉に、怜奈はクルッと振り返る。
趙金雲「私は何にも口出しするつもりはありませんが…。
怪我や“ 不調 ”は、いつでも相談してくださいね」
A「…！」
監督のニヤリとした笑みに、怜奈は冷や汗をかく。
肩や手がガクガクと震えているのが自分でもわかる。
A「し、失礼…します！」
ガバッと頭を下げると、逃げるようにトレーニングルームから出て行った。
A( まさか、監督は…私が必殺技が使えなくなったことを )
じゃないと監督はわざわざ呼び止めてまで私に言わない。
感のいいあの人なら、十分あり得ることだ。
A( このままじゃ……私は…代表から… )
震えが止まらない。
もっとここにいたい。
私は、野坂くんが帰ってきた時のための居場所を作ってあげなきゃいけないのに。
王帝月ノ宮のみんなから託されたんだから。
しかし、必殺技が使えない無能になってしまった怜奈。
このどうしようもない現実が、更に彼女の心を苦しめた。
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れいな(プロフ) - 空木さん» ありがとうございます^_^これからもたくさん更新して皆さまに喜んでいただけるような作品を作っていきたいと思います。空木さんも、どうぞ応援よろしくお願いします^_^ (2018年11月11日 21時) (
レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
空木(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています！これからも更新頑張ってください(´∀｀) (2018年11月11日 18時) (レス) id: b6e943139e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - mikakokapoohsanさん» 人によると思います多分。人の性格や好みは何通りもあるといいますし、結果的に人によりますね^_^多分。 (2018年11月10日 15時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 楓さん» あー、そういえばそんなのがあると言っていましたね。検討してみたいと思います^_^ (2018年11月10日 15時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
mikakokapoohsan(プロフ) - 玲奈て可愛いですか？ (2018年11月10日 13時) (レス) id: 4fa9e9ab53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2018年10月24日 21時
