279話 人狼の月夜 ページ31
＊
ベンチに置いてあるタオルを取り、円堂は練習中にかいた汗を拭く。
一星「円堂さん、本当にすみません」
円堂「なぁに、お前が謝ることはないさ」
円堂は、クルッと振り返ると怜奈に目を向ける。
円堂「怜奈もごめんな。
また今度、練習見てやるよ」
ポンと肩に手を置かれ、怜奈はふんわりとした表情で微笑む。
この人は何があっても笑顔を絶やさない人だ。
さっきまで嫌な空気が張り詰めていたにもかかわらず前向きに対処しようとしている。
場の空気が和んできているのが自分でもはっきりとわかる。
そんな中、一星が円堂と怜奈に向かって言い放つ。
一星「あの…先輩達に追いつけるよう、これからもいっぱい練習して…僕も早く試合に出たいです！」
円堂「ああ、あれならいつでも試合に出られる」
一星「本当ですか！？」
円堂の好評価に一星は満面の笑みを浮かべる。
その時、
趙金雲「ええ、本当です」
声のする方を向くと、そこには監督がいた。
趙金雲「次の試合、一星くんはスタメンですよ」
その言葉に一星は、再び満面の笑みで喜んだ。
一星「監督、ありがとうございます！」
趙金雲「いつも練習で見せてくれる、ひたむきなプレーを本番でも期待していますよ」
円堂「頑張れよ、一星」
円堂はタオルを渡すと一星は嬉しそうにタオルを握りしめた。
一星「これ、一生の宝物にします！」
円堂に褒められた上にタオルまで渡してくれるなんて、やはり一星も円堂のファンなのだろう。
怜奈はその微笑ましい光景を穏やかな表情で眺めていた。
＊
そして、空はいつのまにか真っ暗になり、ところどころに星が光を増しながら輝いていた。
スポーツセンターを出たところの茂みには、先ほど円堂が一星に渡したタオル。
そこに彼は立っていた。
一星「豪炎寺の次は、円堂を潰してやろうと思ったけど…」
ライターを手に持ち、目元を吊り上げる。
一星「やはり邪魔だな、鬼道 有人」
ライターの火をつけ、タオルを燃やした。
まるで、彼の鬼道に対する憎悪が増していくように、チリチリと火花が飛び散る。
一星は、誰もこの光景を目撃した人物がいないか辺りを見回す。
誰もいないことを確認し、再び燃えているタオルに目を向ける。
すると、
？「そんなところで燃やしたら危ないよ」
メラメラと勢いを増しながら蠢く真っ赤な炎。
それを眺めるように、ある人物がタオルの側でしゃがみ込んでいた。
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れいな(プロフ) - 空木さん» ありがとうございます^_^これからもたくさん更新して皆さまに喜んでいただけるような作品を作っていきたいと思います。空木さんも、どうぞ応援よろしくお願いします^_^ (2018年11月11日 21時) (
レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
空木(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています！これからも更新頑張ってください(´∀｀) (2018年11月11日 18時) (レス) id: b6e943139e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - mikakokapoohsanさん» 人によると思います多分。人の性格や好みは何通りもあるといいますし、結果的に人によりますね^_^多分。 (2018年11月10日 15時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 楓さん» あー、そういえばそんなのがあると言っていましたね。検討してみたいと思います^_^ (2018年11月10日 15時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
mikakokapoohsan(プロフ) - 玲奈て可愛いですか？ (2018年11月10日 13時) (レス) id: 4fa9e9ab53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2018年10月24日 21時
