22話 イライラの違い ページ24
＊
部室に行くとまだ誰も来ていなくガランとしていた。
アツヤ「早く来すぎたか」
A「…ん」
よくよく考えてみたら２人きりだ。
意識したくはないがしてしまう。
それほどまで２人だけしかいないという状況に心臓は高鳴る。
やはり合宿のとき以来頭がおかしくなったのだろうか。
アツヤ「２人きりだな…」
耳元でボソッと呟かれる。
生暖かい息が耳にかかり自然と心拍数がドクンドクンと上昇していく。
A「からかうなら私…一旦教室戻る…から」
赤く染まった顔が見えないように髪で顔を隠す。
慌ててドアを開けようとしたらアツヤは私の手を掴む。
電気のついていない部室では心臓が強く鼓動するたびに室内に響き渡るのではないかと感じる。
手を振りほどこうとするがアツヤはじっと見つめたまま動かない。
アツヤ「…アイツになんかされなかったか？」
A「え…」
アイツ。もしかして日高くんのことだろうか。
私と日高くんとアツヤはそれぞれクラスが違うから様子を見ようと思えばできないことはないが面倒なのは確かだ。
わざわざ聞いてくれたということは心配してくれているのだろうか。
A「手…握られただけだよ」
視線を横にそらすとアツヤは掴んだ私の手を自分の顔に持ってくる。
アツヤ「じゃあ、消毒な」
ニヤリと口角を上げると、アツヤは私の指にそっとキスを落とす。
A「な、なにし…て」
突然の出来事に顔は瞬時に赤く染まる。
こっちの気持ちなんてお構いなしにアツヤは私の指先や手の甲にキスを落としたり、ペロッと舌を出して舐めまわす。
A「…っ…ん…」
アツヤ「口にはしてねーのに、ずいぶん可愛い反応するんだな」
いやらしい水音が室内に響き渡り、接触するごとにビクッと反応してしまう。
A「や、やめろ！！バカ！！」
アツヤ「ってぇ！！」
ガラ空きになったもう片方の手で顔面パンチを食らわすとアツヤはよろけるようにして床にしゃがみ込む。
アツヤ「なにすんだよ！」
A「どこが消毒だ！さらに毒霧ぶちまけただけだろうが！付き合ってもないのに変態行為するんじゃねーよ！」
ドアを思いっきり開けると、ズカズカと部室から出て行った。
アツヤ「おい、どこ行くんだよ！」
A「手！洗ってくるの！！」
バタンとドアを閉める音が響いた。
イライラが止まらない。
けれど、日高くんのときとは違うイライラだ。
いつも通りの、変わらない日常の。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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西 - この方角に福があるはずです
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シホニャン - 凄く面白い！！アツヤヤバス。更新楽しみしています！！ (2020年5月31日 18時) (
レス) id: 39a09b6cce (このIDを非表示/違反報告)
KANA(プロフ) - めっちゃ面白いです！ (2018年10月21日 21時) (レス) id: 7cbd7746b4 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 月兎さん» 応援ありがとうございます。より良い作品になるように頑張ります。まだまだメインストーリーにすら入ってないですからね。今は (2018年8月8日 12時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 主人公さんとアツヤ君のやり取りが、可愛くて大好きです。更新頑張ってくださいね。 (2018年8月8日 11時) (レス) id: e5c4e1b4c5 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 最近髪を切ったんですけど、切る前は腰より下までのびていて、ポニーテールにすると、重くて下に落ちてくるんですよね...(汗)切ったらスッキリしました！！私は髪質がストレートなのでふわっとした髪や、ちょっとくせっ毛なのにも憧れてるんですよ！！ (2018年8月3日 9時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2018年7月30日 22時
