52話 ページ9
マナミ「…ごめんなさい。私、あなたの気持ちには答えられません」
「!!」
その瞬間、人体模型の心臓が割れ地面に落ちる。
ナツメ「ハートが粉々!」
アキノリ「…なんてわかりやすい失恋だ」
人体模型は自分のバラバラになった心臓を拾う。
「そ、そうですよね!僕は不気味だし、キモいし何より人間じゃないし…。いや、分かってたんですけど…」
マナミ「だって、あなたの相手は私じゃないから」
マナミちゃんは、そう言って人体模型にぬいぐるみを見せる。
「…これ、僕?」
マナミ「私のおばあちゃんが大切にしてた物なの」
「…おばあちゃん?」
人体模型は顔を上げて、マナミちゃんを見つめる。
マナミ「ジンくんだよね?…あなたは人体模型のジンくん」
「へ…」
マナミ「おばあちゃんから聞いたの。昔、学校にあった人体模型が話し相手になってくれたって。
…その子の名前は、ジンくん」
人体模型はマナミちゃんの顔を見ると、ハッとする。
「君はまさか…!…そうか、思い出した。僕を好きになってくれたもう一人の人…。
真千子さん…!」
怜奈「…!!」
その瞬間、人体模型が思い出した記憶が怜奈の頭の中を駆け巡る。
もう一人の大切な人との思い出を。
*
真千子『今日も先生に怒られちゃった…。鈍臭い私がクラス委員とか、やらない方が良かったかな?…ねぇ、君はどう思う?』
誰かが人体模型に話しかけている。
…マナミちゃんによく似た人。
もしかして……あの人が真千子さん?
私はその様子を静かに見守る。
真千子『…って、いつもぼやいちゃってごめんね。
君とこうして話している時が一番好きなんだ。…あ〜あ。君が人間だったら良かったのになぁ』
私も同じこと思ってた。
妖怪と話している時は一番安心できたけど、
……やっぱり人間の友達も欲しかった。
それが叶わないのが……一番辛かった。
真千子『そうだ、君に名前つけてあげる。…えっと………あ!人体模型だからジンくんでいいかな?
ねっ?ジンくん!』
意識が戻り出した時、頭の中で人体模型の思いが飛び交う。
( 真千子さんはこんな僕に、ちゃんと向き合ってくれた。僕が人間だったら良かったのにって
言ってくれたんだ 。どうして僕はこんなに大切な人のことを忘れていたんだろ…
真千子さんと過ごした時間は、あんなにも楽しかったはずなのに… )
*
怜奈「…ジン君」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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壊(プロフ) - 絵、上手すぎんか?何かの模写ですかね?とても凄いと思います! (3月9日 11時) (レス) @page41 id: 4287a5d613 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 絵うますぎです…そこら辺で上手とか言ってる人より凄く上手…可愛すぎませんか? (9月20日 17時) (レス) @page41 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん(プロフ) - 絵が出てきた瞬間に思わず叫んじゃいました…🥲小説も面白いし、見つけることが出来て良かったです😢 (2022年8月4日 15時) (レス) @page41 id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
春生まれ - 絵上手すぎません? 神か何かですか? (2022年2月23日 0時) (レス) @page41 id: f9a1a17fc3 (このIDを非表示/違反報告)
フランドール大好き - 上手いですね!すんごい可愛いです! (2021年4月21日 13時) (レス) id: fad690bd23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいな | 作成日時:2018年6月25日 21時