青き月光の下で2［妖怪ウォッチシャドウサイド］

81話 ページ43

マグロ三昧の若旦那さんの腰にはマグロ寿司のキーホルダーが付いていた。


グルグル寿司のキーホルダーかと思われたのだが、話を聞くとこのキーホルダーは若旦那さんの先代である親父さんの形見らしい。


そのとき、再び空には灰色の雲が浮かび上がる。


人食いマグロは若旦那さんのキーホルダーに気づいたのか、こちらに向かってくる。


怜奈「どうしよう…！」


ナツメ「大丈夫、私に任せて！」


そう言いながらナツメは若旦那さんからキーホルダーを受け取る。


そしてそのキーホルダーをケースケに渡す。


ナツメ「ケースケ、任せた！」


ケースケ「ハァ！？」


ピンチの時は弟を身代わりにするナツメ。


怜奈はぽかんと口を開けるしかなかった。


その弟も弟で、ケースケは近くにいたウィスパーに向かってキーホルダーをパスする。



ケースケ「ウィスパー、パス」


ウィスパー「ウィス！？からのトース！！」



ウィスパーはキーホルダーをミッチーに向かって放り投げる。


そして、



ミッチー「からのアターック！」


ミッチーは再び若旦那さんのもとにキーホルダーを打ち返す。



怜奈「戻ってきちゃったよ！」


そして人食いマグロは私達に向かって突進して来た。



怜奈「若旦那さん、早く逃げて！」


怜奈のかけ声で、若旦那さんは慌てて逃げ出すが
地面にはキーホルダーが落ちていた。


とすると、狙いはキーホルダーではなく若旦那さんなのだろうか。


人食いマグロの驚異のスピードに追いつけない私達。


そしてついに若旦那さんは人食いマグロに丸呑みにされてしまいそのまま姿を消してしまった。



ケースケ「た、食べられちゃった…」



トウマ「でも、行き先はわかってる」



アキノリ「ああ、魚市場だ」



怜奈「そうと決まったら早く行こう」


ウンと頷くと私達は若旦那さんと人食いマグロがいる魚市場に向かった。

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