青き月光の下で2［妖怪ウォッチシャドウサイド］

79話 ページ40

＊

２人が店に入ってからしばらく経つが、一向に店から出てこない。


ナツメ「…出てこないね」


ケースケ「まさか、中で人食いマグロに襲われたんじゃ…！」


アキノリ「いや、あるいは２人っきりという空間で
危ない大人の階段を上ってしまった可能性がなきにしもあらず」


ナツメ「…なに言ってんのよ、アキノリ」


真剣な表情で考え込むアキノリに、ナツメは冷めた表情でアキノリを見た。


そのとき、店のドアが開き、楽しそうに会話をする怜奈とトウマの姿が見えた。


アキノリ「遅いぞ２人とも〜」


ナツメ「中で何かあったのかと思って心配したよ？」


怜奈「あー、全然大丈夫！むしろ18皿も食べちゃってお腹いっぱいだから！」


ニコニコしながら手を振る怜奈にナツメとアキノリとケースケの3人はぽかんと口を開ける。


トウマ「みんなには内緒じゃなかったっけ…？」


怜奈「…あ」



顔を真っ青にさせながら慌てて口を手で押さえる。



アキノリ「まさか、オレたちを待たせておいて、
２人で仲良く寿司食ってたのか？」



ナツメ「ズルーイ！私も食べたかった」



怜奈「ご、ごめんね！私が食べたいってワガママ言ったらトウマくんがわざわざ付き合ってくれたの」



両手を合わせながら謝ると、3人は渋々許してくれた。



ナツメ「で、トウマ。グルグル寿司のキーホルダーは？」



トウマ「あ、そうだった。はい、ケースケ」



トウマは手に持っていたマグロ寿司のキーホルダーをケースケに渡す。



ケースケ「えっ、ちょ…！なんでオレ！？」



ケースケはあたふたと慌てながらキーホルダーをつまむ。




その直後、空に怪しい灰色の雲がかかった。





怜奈はピクッと反応し、空を見上げる。







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怜奈「…来る」

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