青き月光の下で2［妖怪ウォッチシャドウサイド］

61話「顔さけ女」 ページ20

怜奈「こっち終わったから私も手伝うね」


ナツメ「分かった！」

怜奈とナツメはホースから水をだし、事務所前の花壇の花に水をやる。


ナツメ「最近雨降ってなかったから、喉乾いたでしょ？」

怜奈「…あれ！ナツメちゃん、そのブローチ
かわいいね」


怜奈はナツメの胸元についた花の形をしたブローチを見つめる。


ナツメ「この前買ったんだ〜！結構気に入ってるの」

ニコニコしながらブローチに目をやる。


アキノリ「お、２人とも何やってんの？」


怜奈「あ！アキノリく…


バシャァア！！！！


怜奈がアキノリの方を振り向いた瞬間、手に持っていたホースの水がアキノリの顔に思いっ切りかかる。

ポタポタと水滴が地面に落ちる様子を怜奈は真っ青な表情で固まっていた。


アキノリ「…怜奈」

怜奈「ご、ごめんなさい！すぐにタオル持って来るから！」



＊



事務所の中でアキノリは、タオルをかぶって濡れた箇所を拭く。


アキノリ「たくっ…気をつけてくれよな」


怜奈「ごめんなさい…」


トウマ「怜奈も悪気があったわけじゃないし、
気にすることないよ」


トウマのフォローにより、怜奈は穏やかな表情になる。


アキノリ「…あ、そういえば。新たな怪奇案件の情報を入手したんだ！」


トウマ「今度はどんな事件なの？」


アキノリはマウスを手に取り、怪奇案件のページを開く。


怜奈「顔さけ女…？」


怜奈は少し眉をひそめる。


トウマ「…怖いの？」


少しうつむき加減で、首を横に振る。


ナツメ「怜奈ちゃん、やっぱり怖いんでしょ？」


怜奈「だ、だって…顔が裂けてるんだよ？」



アキノリ「妖怪と一番接触が長いのに、案外怖がりだよな」


アキノリの言葉に怜奈は口を膨らませる。


しかし、この怪奇案件は今までより怖いイメージが
強そうだと思ったらしい。


書き込みがある以上、誰かが解決しなければ何も
始まらない。


私達は顔さけ女について、ネットで少し
調べてみることにした。

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