92話 笑わない君へ３ ページ47
＊
「冨岡には、今から半刻後の時刻を伝えてある」
「どういうことですか？悲鳴嶼さん」
しのぶさんの言う通り、どうして冨岡さんだけ遅れた時間を伝えたのだろう。
すると、私の隣に座っている宇髄さんが口を開く。
「その間に欠席裁判でもやろうってのか？」
「なるほどねぇ。協調性に欠ける水柱をついに馘首にするってわけか」と、納得したような口ぶり。
『宇髄さん、あなたって人は。そんな新手のいじめが許されますか。冨岡さんが可哀想じゃないですか。ねぇ、煉獄さん』
「氷雨の言う通り、いじめはいかん！やるなら、正々堂々、冨岡に不平不満を言えばいい！なあ、時透！」
「僕は別に。どっちでも」
私、煉獄さんは橋渡しのように話を繋いでいく。
その中で霞柱の時透無一郎くんだけは変わらずボーッとしていた。
この前の柱合会議で初めて会ったけど、やっぱり不思議な子だ。
「冨岡さんのこととかよくわからないし。どうせすぐに忘れるから」と、言うと彼は庭の景色を眺め始めた。
「俺は賛成だぜェ。馘首と言わず、この場で叩き出してやる」
そんな中、不死川さんは冨岡さんを懲らしめようと算段を練ろうとする。
不死川さんに続くように、伊黒さんも、
「俺も賛成だ。アイツは和を乱す」
『和を乱しても任務にあまり影響はありませんよ。それに、そういうところが冨岡さんらしくてカッコいいんじゃないですか』
うっとりと冨岡さんの凛々しい姿を想像した。
「氷雨、お前の目は腐敗しているんだ」
『え"…』
「もしくは冨岡を見て カッコいいなんて言う その口がおかしい。今すぐ胡蝶に診てもらって新しい目玉をつけてもらえ。ついでに口も縫っておけ。裁縫は得意だろう？」
『い、伊黒さんってば冗談が過ぎますよ…』
「俺が冗談を言っているように見えるか」
『え？』
やだ、伊黒さん…、冗談じゃなかったの？
怖いですよ、はっきり言って。
先輩たちは再び冨岡さんの件に関して色々思っていることを吐き出した。
これほど嫌われている冨岡さんって一体…。
そして話が徐々に混雑し始めてきた その時、
“パァン！！
爆発音のような鋭い音に私を含めた皆は静まり返る。
悲鳴嶼さんは、柱の私たちを黙らせる時、こうやって手を一回叩いて静まらせる。
「静まれ」
先輩の一言に、私たち全員は再び座布団に腰を下ろした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 949人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいな(プロフ) - BTてっちゃんさん» ありがとうございます〜！この作品大好きって言ってくれる方がいて本当に嬉しいです。語彙力とか全然ない作品ですが、どうかこれからもご愛読のほどよろしくお願いします！ (2019年12月29日 21時) (
レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
BTてっちゃん(プロフ) - 善逸が可愛すぎてニヤニヤが止まりません！wこの小説大好きです！！更新頑張ってください！応援しています！！ (2019年12月28日 16時) (レス) id: 5f75657117 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ぽんかんさん» いつも作品を読んでくださりありがとうございます。この二人の関係はのちのち変化していく予定です。めちゃくちゃ祈っててください！！ (2019年12月26日 17時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - みるくさん» ありがとうございます。展開はどうするかはあやふやなんですけど ゆっくりお話を進められたらいいなと考えています。 (2019年12月26日 17時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！風柱の2年前の行いは、きっと理由があってのことなのですよね、！仲間思いの風柱は無闇に隊員を傷つけないと思っています、この後の展開でただの暴れん坊将軍じゃないことが解説されることを祈っております、、！！！ (2019年12月23日 12時) (レス) id: 95123080ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいな | 作成日時：2019年12月16日 22時
