91話 笑わない君へ2 ページ46
*
産屋敷邸の中に入り、私と不死川さんは部屋の襖を開けた。
そこには柱の先輩方が勢揃いしていた。
「あら、お二人でいらっしゃるなんて意外ですね。二年前の件はもう仲直りしたんですか?」
ニコニコと笑いながら不死川さんに聞くしのぶさん。
「俺がいつこんなクソガキと仲を結んだァ?」
『クソガキ言うな』
全くこの人ときたら、ガキしか言わないのかな。
「柱合会議でもねえのに呼び出しやがってェ。どう落とし前つける気だァ」
そして怒りはしのぶさんだけでなく、私たちを呼び出した悲鳴嶼さんにも向けた。
「私用で集めたわけでもない。お館様のご意志だ」
ジャリジャリと数珠を擦る悲鳴嶼さん。
私は勢揃いした先輩たちを見回した。
『…九人だけですか?』
今現在の柱は、前代未聞とはいえ十人のはず。
あの人がいない。
遅刻かな?
私の様子に気づいたのか、しのぶさんは口を開く。
「冨岡さんの姿が見えないようですが」
「見えないようだと?まわりくどい言い方をするな、胡蝶。あの男ならば来ていない。仮に、奴がこのまま来ないつもりだとしても、俺はまるで驚かない」
さすが伊黒さん、相変わらずネチッこい人だ。
「何せ、あの身勝手極まりない男のことだ。“勝手にやれ。俺には関係ない”とでも言い出しかねんからな」
「なんだとォ……あのクソがアァ」
冨岡さんが特に嫌いな不死川さんは怒り出す。
伊黒さんと不死川さんは冨岡さんが嫌いな二人組だ。
どこが嫌いなのかはさっぱりわからない。
あんなに強くてかっこいいのに。
「不死川さん。今のはあくまで伊黒さんの想像ですから」
『ていうか、冨岡さんはクソじゃありません。取り消してください』
「取り消さねェ」
スパンッと否定され、私はキレそうだった。
これだから、この人とは合わないんだ。
「冨岡がクソならお前はクソガキなんだよ。わかったかァ?」
『わからないです、わかりたくもないです』
ビキビキと額から青筋が浮き出る。
「ふ、二人とも。喧嘩はダメよ、仲良くしましょう?ね?」
間に入ってくれた蜜璃さんの言葉に、不死川さんはドスッと座布団に腰を下ろした。
私もつられるようにゆっくり腰を下ろす。
そして、今回、柱たちがここに集められた理由が明かされようとしていた。
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れいな(プロフ) - BTてっちゃんさん» ありがとうございます〜!この作品大好きって言ってくれる方がいて本当に嬉しいです。語彙力とか全然ない作品ですが、どうかこれからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2019年12月29日 21時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
BTてっちゃん(プロフ) - 善逸が可愛すぎてニヤニヤが止まりません!wこの小説大好きです!!更新頑張ってください!応援しています!! (2019年12月28日 16時) (レス) id: 5f75657117 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ぽんかんさん» いつも作品を読んでくださりありがとうございます。この二人の関係はのちのち変化していく予定です。めちゃくちゃ祈っててください!! (2019年12月26日 17時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - みるくさん» ありがとうございます。展開はどうするかはあやふやなんですけど ゆっくりお話を進められたらいいなと考えています。 (2019年12月26日 17時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!風柱の2年前の行いは、きっと理由があってのことなのですよね、!仲間思いの風柱は無闇に隊員を傷つけないと思っています、この後の展開でただの暴れん坊将軍じゃないことが解説されることを祈っております、、!!! (2019年12月23日 12時) (レス) id: 95123080ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいな | 作成日時:2019年12月16日 22時