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78話 愚痴 《炭治郎side ページ33

*《炭治郎side




蝶屋敷に連れていかれて早数日が過ぎた。





左のベッドには喉が潰れた伊之助。ぐっすり眠っている。




右のベッドには蜘蛛の毒で体が縮んだ善逸…、だけど今は姿が見当たらない。


禰豆子の部屋にでも行っているのか、屋敷に来る女性を口説きに行っているのかは定かではないが。







そして、今日は那田蜘蛛山で会った先輩隊員の村田さんがお見舞いに来ていた。







「いやぁ…、柱合会議での鳴柱様の質問責めには参ったもんだよ…」





こうして見舞いに来ては愚痴を吐き続けている。






「あの、さっきから言っている鳴柱様って誰ですか?」





少し気になったから聞いてみた。






「鳴柱様っていうのは、氷雨A様のことだよ。最近隊に復帰した お前と同じ歳の…」



「あっ、白髪と青髪を束ねて耳飾りをした可愛らしい顔の…」



「そうそう、可愛らしい顔の。あの方は雷の呼吸の使い手で柱で最速の剣士だよ」






あんなに可愛らしい子が、柱最速の剣士なのか。



しかも善逸と同じ呼吸の使い手。




色白で腕も他の柱の人と比べて細いのに、鬼の首を斬れるなんて凄いな…。








村田さんは続けるように口を開いた。






「氷雨様は十三歳で柱になった天才剣士って呼ばれていたんだよ。女の子なのに本当に尊敬するよ」



「そうですね」



「普段は可愛いんだけど、戦いになった時とキレた時は死の危険さえ感じる。まさに雷そのものだよ」


「へぇ…」





確かに、あの子が時折見せる殺気と鋭い目つきは俺でも震える。





でも、



他の柱の人とは違う何かを持っていて、



それがなんなのかはわからない。







それに、






(……氷雨A。…どこかで聞いたことがあるような)





誰かがよく口にしていたような気がするんだが、思い出せない。





「氷雨……氷雨…」





唸りながら考え込む。




そしたら、村田さんは俺の肩を掴んだ。





「それよりも俺の話を聞いてくれ!」


「え、えぇ…?」






よほど嫌なことで頭や気持ちがいっぱいなんだな。





「会議で氷雨様が必要以上に俺を責め立てるんだよ。俺、冨岡と同期だからかなぁ…。それで氷雨様はあんな冷たい目で俺を…」





と、話をした直後、






『私がなにか?』






フワリと優しく、ほんのりと甘い匂いがした。





そこには白髪と青髪を束ねて、花形の耳飾りをした 彼女が微笑んでいた。

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れいな(プロフ) - BTてっちゃんさん» ありがとうございます〜!この作品大好きって言ってくれる方がいて本当に嬉しいです。語彙力とか全然ない作品ですが、どうかこれからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2019年12月29日 21時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
BTてっちゃん(プロフ) - 善逸が可愛すぎてニヤニヤが止まりません!wこの小説大好きです!!更新頑張ってください!応援しています!! (2019年12月28日 16時) (レス) id: 5f75657117 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ぽんかんさん» いつも作品を読んでくださりありがとうございます。この二人の関係はのちのち変化していく予定です。めちゃくちゃ祈っててください!! (2019年12月26日 17時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - みるくさん» ありがとうございます。展開はどうするかはあやふやなんですけど ゆっくりお話を進められたらいいなと考えています。 (2019年12月26日 17時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!風柱の2年前の行いは、きっと理由があってのことなのですよね、!仲間思いの風柱は無闇に隊員を傷つけないと思っています、この後の展開でただの暴れん坊将軍じゃないことが解説されることを祈っております、、!!! (2019年12月23日 12時) (レス) id: 95123080ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れいな | 作成日時:2019年12月16日 22時

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