266話 祈る者 ページ7
*
次なる部屋に辿り着くと再び広い空間が目の前に広がった。
今度の部屋は光が遮られておらず、視界を確保できた。
辺りをキョロキョロと見回す怜奈。
その時、次の部屋に続く扉を見つけた。
怜奈「こっちから入れるよ」
扉の近くに駆け寄ると怜奈は重くて頑丈な扉を開けて今いる部屋から出た。
ケースケ「よかった。
今度はすんなり行けそうだね」
怜奈「早く早く」
怜奈は手招きし、まだ部屋に取り残されているナツメ達を呼ぶ。
その時、急に怜奈が手を添えていた扉がバタンッと勝手に閉まってしまった。
怜奈「え、ちょ…みんな!!」
自分だけ脱出してしまった怜奈。
ドンドンと扉を叩き、部屋に取り残されたナツメ達に向かって声を上げる。
グッ、グッ、と扉を押したりこじ開けたりしてみるがビクともしない。
怜奈「…開かない!」
しかも、ナツメ達が取り残されている部屋の中から水が流れる音が聞こえてきた。
怜奈「滝の音…?」
扉にピタリと耳を当てながらその音を聞き取る。
間違いない、中に水が浸入している。
怜奈 ( このままじゃ、部屋に閉じ込められているナツメちゃん達が…! )
なんとかして扉を開けなければ。
再びドンドンッと力強く扉を叩こうと拳を振り上げた。
その時、
《 ドクンッ!
怜奈「…ッ!!」
勢いよく心臓から送り出された血液が彼女の体の中を駆け回る。
ペタリと床に手をつけた彼女は目をまん丸に開いた。
怜奈「意識…が……」
なんの前触れもなくゆっくり目を閉じる怜奈。
数秒後、再び彼女は目を開き、立ち上がった。
怜奈「《 …… 》」
青く輝いた左の瞳を光らせた彼女は、ナツメ達が閉じ込められている扉から距離を置いた。
そしてゆっくりと次の部屋に向かったのだ。
次の部屋の扉を開けると、彼女はスタスタとその部屋に飾られた物に向かって歩き出す。
怜奈「《 見つけた… 》」
ゆっくりと彼女は微笑した。
目の前には壁に飾られたゲンブ法典斧があった。
怜奈「《 ゲンブ法典斧……これであと1つ 》」
そっとゲンブ法典斧に触れる彼女。
しかしゲンブ法典斧は何も反応せず、かと言って彼女を拒むことはなかった。
怜奈「《 全ての妖聖剣が揃えば……私の求めていたものが手に入る…… 》」
そう呟くと彼女は怜奈の中に引っ込んだ。
元に戻った怜奈はその場に崩れ落ち、意識を失った。
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れいな(プロフ) - ミアさん» リクエストいただきありがとうございます^_^今後の展開とともに検討してみたいと思います。夢主がカイラを好きになったという展開があれば2人の関係が進展してるみたいでいいですよね^_^皆さまにとって良い作品になるように考えさせていただきますね^_^ (2019年2月19日 23時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続き。それにカイラとの婚儀のことも気になります! (2019年2月15日 12時) (レス) id: cce959435c (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続編楽しみにしてます!そこで提案があります、『怨みのバレンタイン』で日頃の感謝を込めて蛇王カイラにチョコを作って贈るっていうのはどうですか? (2019年2月15日 1時) (レス) id: 6222c85396 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - はい!これからも楽しみにしてます! (2019年2月10日 18時) (レス) id: c20dfe3b9e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ミアさん» お話は大体まとめて更新することが多いので、時間はかかりますがお待ちいただくとありがたいです。これからもよろしくお願いします^_^ (2019年2月10日 13時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいな | 作成日時:2019年1月7日 21時