285話 眠りにつこう ページ26
＊
あの後、ハルヤ達は姫の生まれ変わりの桜の木の前に赴いた。
ハルヤ「姫が本物ではないと疑っていたお前は正しかった」
洞潔「はい。
正直、姫の為とはいえよもやあんなことまで…とは思っていました」
ハルヤ「それは言うな」
姫だと確信したアヤメは女郎蜘蛛が操っていただけだとわかり、所持していた情報が空っぽになってしまった。
ハルヤ「桜の状態から見て姫が近くにいることは間違いない」
必ずこの近くに姫は潜んでいる。
ハルヤ「今一番、姫である確率が高い人物は怜奈様だ。
しかし、あの方は……少し違和感がある」
ハルヤの言葉に洞潔は少し目を開いた。
洞潔「違和感とは…」
ハルヤ「怜奈様が姫なら、その存在を偽っていた女郎蜘蛛を姫とは呼ばないだろう」
彼女は一向に自身の正体をハルヤ達に教えていない。
ハルヤ達も姫の情報を彼女に詳しく話していない。
ただ姫の力を使って妖魔界を支配するとだけしか怜奈に話していない。
ハルヤ「いつか姫と怜奈様を手に入れ、妖魔界を手に入れてみせるさ」
＊
その一方、夜中になった街の公園のブランコで彼女は静かに歌を歌っていた。
ハルヤも洞潔もいなくなり、女郎蜘蛛は倒された。
おまけに力を使い過ぎたのか、夜の散歩は今夜で一旦打ち切りなのだ。
彼女は歌を止めるとため息をこぼす。
怜奈「《 つまんない 》」
ブランコから降りると彼女はふとあることを思い出した。
怜奈「《 そういえば…。
2人が探している姫って……一体誰のことを言ってたんだろう 》」
その姫という妖怪の名を詳しく聞いていない。
それに最近記憶が曖昧になっている気がしてならない。
公園付近の木のてっぺんに勢いよく飛び乗ると夜空を見上げた。
怜奈「《 まぁ、私は私のやるべきことをするまで。
…そうすれば、私の未来は、私の存在は…永遠に無くなることはない… 》」
なめらかに吹き抜ける風の中、彼女は静かに微笑した。
怜奈「《 “あの人”との約束だもの… 》」
キラキラと輝く星達の中で完璧な形を保てずに欠けている三日月。
それが今の彼女そのもののようで、とても弱々しい。
彼女が満月になる日はいずれ来るのだろうか。
怜奈「《 ……力も使い過ぎたし、しばらくは大人しく中で眠ろ 》」
彼女が何者なのか。
なぜ妖聖剣を集めているのか。
それが分かるのは、まだ先の話。
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れいな(プロフ) - ミアさん» リクエストいただきありがとうございます^_^今後の展開とともに検討してみたいと思います。夢主がカイラを好きになったという展開があれば2人の関係が進展してるみたいでいいですよね^_^皆さまにとって良い作品になるように考えさせていただきますね^_^ (2019年2月19日 23時) (
レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続き。それにカイラとの婚儀のことも気になります！ (2019年2月15日 12時) (レス) id: cce959435c (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続編楽しみにしてます！そこで提案があります、『怨みのバレンタイン』で日頃の感謝を込めて蛇王カイラにチョコを作って贈るっていうのはどうですか？ (2019年2月15日 1時) (レス) id: 6222c85396 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - はい！これからも楽しみにしてます！ (2019年2月10日 18時) (レス) id: c20dfe3b9e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ミアさん» お話は大体まとめて更新することが多いので、時間はかかりますがお待ちいただくとありがたいです。これからもよろしくお願いします^_^ (2019年2月10日 13時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2019年1月7日 21時
