273話 わからない存在 ページ14
*
ワサビを顔にぶち込まれ動きを鈍らせていた女郎蜘蛛を見る。
ナツメ「みんな今のうちよ!」
この隙に不動明王・天、ジバニャン、コマさんは一斉攻撃を撃ち込んだ。
女郎蜘蛛「ギャァアアアッ!!」
体にクリティカルヒットした瞬間叫び声を上げた。
それと同時に女郎蜘蛛の巨大だった体が少し縮んだ。
このまま攻撃を続ければ勝利は見えてくる。
その瞬間、
女郎蜘蛛「待ちな!」
急に声を上げた女郎蜘蛛。
最後の悪あがきでもするつもりなのだろうか。
ニヤリと口角を上げると自身の蜘蛛の足から垂らした糸を上げた。
女郎蜘蛛「これ以上私に手出しをしたら、コイツがどうなっても知らないよ」
糸の先にはなんと、別の場所に隠れていたはずのケースケの姿があった。
ナツメ「ケースケ!」
どうやら女郎蜘蛛はケースケを人質にして自身を有利な状況に立たせようとしているらしい。
アキノリ「卑怯だぞ、女郎蜘蛛!」
女郎蜘蛛「卑怯?
最高の褒め言葉だねぇ!」
そう言いながら高笑いする女郎蜘蛛にウィスパーは顔を引きつらせた。
ウィスパー「出ました。
悪役が言いそうなセリフベストスリーでうぃす!」
その隙に女郎蜘蛛は不動明王を糸で巻きつけ、力を奪っていく。
女郎蜘蛛「お前のおかげで失った力、補充させてもらう」
怜奈「やめて!」
不動明王・天の力を奪おうとする女郎蜘蛛に向かって怜奈は叫んだ。
すると女郎蜘蛛はニヤリと口角を上げて彼女を見た。
女郎蜘蛛「…小娘、アンタも苦労者だねぇ」
女郎蜘蛛の言葉に怜奈は目を見開く。
女郎蜘蛛「アンタの中にいる奴の存在もわからないまま、この私に魂を捧げるんだからさぁ」
怜奈「な、何を言って…」
しかし怜奈の言葉に聞く耳を持たない女郎蜘蛛は不動明王・天から力を吸い取り巨大化した。
女郎蜘蛛は満足そうに不動明王・天を解放した。
力を奪い取られたのか彼は憑依を終えて姿を消した。
ナツメ「トウマ!」
力尽きたトウマを見た瞬間、怜奈の瞳が暗黒に染まる。
怜奈「……」
トウマくんの力になれなかった自分が、
ケースケくんを助けられなかった自分が、
腹立たしい。
その刹那、ドクンッ!と彼女の心臓がこだました。
息を乱しながら、彼女は服の上からギュッと心臓を掴んだ。
怜奈「……………………痛い」
ポツリと呟いた瞬間、
彼女は《 青 》になった。
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れいな(プロフ) - ミアさん» リクエストいただきありがとうございます^_^今後の展開とともに検討してみたいと思います。夢主がカイラを好きになったという展開があれば2人の関係が進展してるみたいでいいですよね^_^皆さまにとって良い作品になるように考えさせていただきますね^_^ (2019年2月19日 23時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続き。それにカイラとの婚儀のことも気になります! (2019年2月15日 12時) (レス) id: cce959435c (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続編楽しみにしてます!そこで提案があります、『怨みのバレンタイン』で日頃の感謝を込めて蛇王カイラにチョコを作って贈るっていうのはどうですか? (2019年2月15日 1時) (レス) id: 6222c85396 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - はい!これからも楽しみにしてます! (2019年2月10日 18時) (レス) id: c20dfe3b9e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ミアさん» お話は大体まとめて更新することが多いので、時間はかかりますがお待ちいただくとありがたいです。これからもよろしくお願いします^_^ (2019年2月10日 13時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいな | 作成日時:2019年1月7日 21時