番外編 青き使者の行く先 ページ37
＊
これはまた別の日の夜の話。
いつもの工事現場で彼女は歌を歌っていた。
怜奈「《 〜♪〜♪ 》」
高らかに声を響かせる怜奈。
怜奈は目の前に現れたハルヤと洞潔に目を向ける。
怜奈「《 ……帰ってくるのは明日じゃなかった？
もしかして、早々に例の物を見つけたとか？ 》」
怜奈の言葉にハルヤはコクっと首を縦に振る。
ハルヤの後ろにいる洞潔はそのブツが入った箱を持っていた。
怜奈「《 ……その悪趣味な物。
本当にあの人が欲しいものなの？ 》」
ハルヤ「間違いありません。
これは姫が望んでいる伝説の男です」
この例の物は、数日後アヤメの元に渡す予定らしい。
少々中身が汚れているため、その手入れをするそうだが。
怜奈「《 ハルヤくんって、たまに的を外すことが多いから私もちょっと心配してるのよ…。
そもそも、アヤメちゃんの中にいる人が姫で間違いないの？ 》」
怜奈は向こうの鉄骨の先で立って月を眺めているアヤメに目を向けた。
怜奈「《 先生だって、私と同じ意見だし…。
もうちょっと冷静に判断したら？ 》」
ハルヤ「お言葉ですが、怜奈様。
姫は自身のことを姫だとおっしゃっておられます。
これこそが何よりもの証拠ではありませんか」
ハルヤの言葉に怜奈は苦笑いをしながら洞潔とアイコンタクトをとった。
これは何を言っても曲げなさそうだ。
怜奈 ( 《 ていうか、泥棒がわざわざ警察に向かって「私は泥棒です」なんていうわけないし。
…だから姫も同じ手口を使ってるという可能性もあり得る 》)
流石に思い込みが激しすぎたか。
そんなことを悶々と考えながら怜奈は頬杖をついた。
ハルヤ「ところで怜奈様。
私達に力を貸してくださるという件は…
怜奈「《 私があなた達の味方になるか敵となるかは私自身が決める 》」
「《 放っておいて 》」とシッシッと手を振った。
怜奈「《 でも、本来の私はハルヤくんが酒呑童子だってことにすら気づいていない。
彼女はハルヤくんを倒す為に戦うだろうけど、私はいつだって中立の立場にいたいのよ。
私が私でいる為にね… 》」
ハルヤ「怜奈様が怜奈様でいる為…ですか」
何を考えているかもわからない。
気ままに現れては自分のやりたいように行動する。
彼女は何者なのか。
それはハルヤや洞潔、そして姫であるアヤメにすら分からなかった。
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れいな(プロフ) - sweetメロンさん» ありがとうございます^_^まだまだ拙いところもありますが応援よろしくお願いします！ (2019年1月7日 22時) (
レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
sweetメロン - とても面白いです！はまりました！更新頑張って下さい！ (2019年1月7日 14時) (レス) id: f91e96a353 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ミアさん» 教えてくださりありがとうございます^_^助かりました！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 256話に『糸』が『意図』になっていますよ。 (2019年1月3日 21時) (レス) id: 3c04b56287 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - お願いします。自分的にその方がバランスがとれるので。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: 3c04b56287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2018年12月30日 22時
