230話 弟 ページ12
＊
犬にしてはかなり小さい何者かが、こちら目掛けて近寄ってきた。
？「ももももも…もんゲロ！」
怜奈「え…」
その声、そのフォルム。
明らかに犬ではない。
アキノリ「カエル…？」
黄色に体にクリッとした目。
まさしくカエルそのものだった。
そのカエルを見たコマさんは満面の笑みで話しかける。
コマさん「コマじろう！」
コマじろう「兄つぁん！」
そう、そのまさかのまさか。
コマさんの弟であるコマじろうの正体は犬ではなくカエルだったのだ。
怜奈「弟なら、コマさんと同じ犬じゃないの…？」
コマさん「俺は犬だなんて一言も言っとらんぞ」
彼が言ったことは、コマじろうは「いつも辺りを跳ね回っている元気なやつ」とだけ。
つまりコマさんは間違ったことなど一言も言ってなかった。
むしろ勘違いしていた我々に問題がある。
アキノリ「でも、何で今妖怪に？
死んでお墓に入っていたんじゃないのか？」
コマじろう「妖怪になった後、ずっと冬眠してたゲェロ！」
トウマ「死んでから？」
コマじろう「だってオラ、カエルゲロよ？」
怜奈「た、確かに…」
正論を言われては言い返す気力もない。
「カエルだから」っていう理由がこんなに強力な言い訳になるとは。
とりあえず我々はコマじろうを有星家に連れて帰ることにした。
＊
アキノリ達の家に着き、話はコマじろうのことについて戻る。
なぜ犬とカエルが兄弟なのかという件に関しては簡単なことだった。
言葉を交わすことはできなかったが彼らの間には切手は切れない兄弟のような感情があった。
ただそれだけのことだ。
するとコマじろうはコマさんの頭の上にピョンと乗った。
コマじろう「オラ、兄つぁんの頭の上大好きゲェロ！」
コマさん「お前を乗せるのも久しぶりだな」
嬉しそうにコマさんはコマじろうを見つめる。
すると怜奈はその2人を妖怪の道へと誘った狛犬に目を向けた。
怜奈「でも、狛犬ってかなりの重量がありますよね？
それなのに、なんで…」
オババ「あの狛犬はグラグラしてよく土台から落ちてたんだわい」
落ちるなら削って平らにしたり、落ちる範囲を囲いにして囲めば解決するのに。
しかしコマさんとコマじろうが潰れてしまったのは変えようのない事実。
なぜあんな悲劇が起きてしまったのだろう。
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れいな(プロフ) - sweetメロンさん» ありがとうございます^_^まだまだ拙いところもありますが応援よろしくお願いします！ (2019年1月7日 22時) (
レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
sweetメロン - とても面白いです！はまりました！更新頑張って下さい！ (2019年1月7日 14時) (レス) id: f91e96a353 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ミアさん» 教えてくださりありがとうございます^_^助かりました！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 256話に『糸』が『意図』になっていますよ。 (2019年1月3日 21時) (レス) id: 3c04b56287 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - お願いします。自分的にその方がバランスがとれるので。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: 3c04b56287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2018年12月30日 22時
