王様vs執着系女子 【影山飛雄】 【完結】

第16ラウンド。 ページ16

「……」




まただ。またあの女が隣にいる。何故だ。私より近くにいやがって。殺す殺す……


いや、菅原さんに言われたしやめよう。


私はとにかく飛雄(の近くの女)のことをじっとりと睨んでいた。


それに気づいた山口が、「ひっ」と小さく悲鳴を上げた。



「何、山口」


「え、い、いや、その、な、なんでもない……」



そう、と言ってまたじろりと見る。


山口は若干怯えた顔で、「か、影山のこと、本当に好きだよね」と言った。



「うん好き。超好き。死ぬほど好き」


「え、えーっと……そっか」



そのあとも山口は何やら言いたげな表情だったが、そのまま口をつぐんだ。


どうにか……どうにかしてあの女を引き剥がさなければ。飛雄に悪影響、とても……！

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