王様vs執着系女子 【影山飛雄】 【完結】

第15ラウンド。 ページ15

私は言われた通り右の鼻を強く抑えながら待つと、飛雄はてきぱきと片付けを終えた。



「行けるか」


「行ける。ばっちぐーです」


「一応言った方がいいのか？先生に……」


「あ、影山君、戸部さん！」



くるりと振り返ると、武田先生がいた。


武田先生は、私の姿を見てぎょっとした。



「え、戸部さん！？鼻血、ですか？」


「ちょっとボールが当たっちゃいまして……」



と苦笑しつつ飛雄を見る。目そらしされた。



「そうですか。お大事にしてくださいね。時間も遅いから、今日はもう帰りましょう」


「今から帰ります」


「うん。それじゃあ、気を付けてね」


「さよならー」


「……さよなら」


「さようなら！」



武田先生に別れを告げて、それぞれの家路へ着いた。

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