数原くんの最後の恋人 (ページ7)

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Aside

ハ『、、それ、夢？現実？』

「、、分かんない。」

深夜1時を回る頃。
ハルちゃんのそんな質問を電話越しに聞いていた。

「これは少しリアルな夢かもしれないから、誰にも言わないで欲しい」

その条件を最初に伝えてから
LINEではなんて打っていいのか分からなかったから、通話にした。

もしかしたら、バイト終わりに疲れて眠っちゃって
長い長い夢を見ていたのかもしれない。

でも
左手の人差し指、第2関節の少し上に巻かれた絆創膏は
明らかに私のものでは無い。

ハ『ちょっと、私も頭おかしくなってきたからとりあえず寝るわ、、
明日もう一回話してくれる？』

「うん。わかった。おやすみ、、」

通話終了の画面が表示された後、トーク画面に戻った携帯。

ホームボタンを押して
検索アプリを開いたあと、"GENERATIONS"と文字を打ち込んだ。

「数原、龍友くん」

メンバーを一人一人確認していき、
最後に出てきたサングラスの彼。

その写真は、数時間前に見た無邪気そうな表情とは打って変わって
少し派手な衣装を着こなし、こちらを真っ直ぐ見つめている。

私の指は、また検索アプリのトップ画面へ戻って
"GENERATIONS"の文字を消したあと
"数原龍友"と入力して、完了、とタップした。