数原くんの最後の恋人 (ページ26)

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Aside

「では、こちら責任を持って預からせて頂きます、、！」

渡された名刺をグッと握り締めて言った。
、、どうせ店長に渡すけどね、、

美『ありがとうございます、お手数掛けます。』

"まじ、助かります、すいません。"

それにしても、この美優さん？って方
本当に律儀な人。
彼の分も精一杯謝ってくれて、なんとかこの問題を解決させようと
必死に考えてくれてる。

改めてその整った顔を眺めると、
まるで私の思っていることが分かったかのように、くすっと笑ってから
隣の彼を見つめて言った。

美『お酒飲んだら、ダントツにタチが悪くなるんだけれど
素はそうでもないんですよ？彼。笑』

"おい、止めろって！"

、、好きなんだなぁ、
いいなぁ、こんなカップル。まさに憧れ。

なんて微笑ましく見ていると
2人は少し顔を赤くさせて、

美『ほら、行くよ！最後にもう1回ちゃんと謝る！』

"っ、うっせぇ、分かってるよ、、
改めて、申し訳ありませんでした。それと、ありがとうございます。"

「、、また、是非いらして下さい。心よりお待ちしております！」

笑いあって、店をあとにした。

すごく心が温かくなった。

まさか、この時は思いもよらなかった。
私が言ったこの一言が、とんでもない事態を招くことになるなんて。