数原くんの最後の恋人 (ページ21)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:55,553 hit

21 ページ21

玲於side

龍『、、そう、なんか、心配でなぁ。』

涼『やっぱり、なんかトラウマみたいなものでもあるんすかね、、』

中からそんな会話が聞こえてきて、
俺は思わず楽屋へ入ろうとドアノブに触れた手を止めた。

龍『あんな子に、あんな悲しい顔させるもんって何なんやろ。』

、、あんな子？悲しい顔？

なんの話してんの？

どうしても、好奇心に勝てなかった俺は
気付けばその扉を開けていた。

玲『なんの話？』

涼『わっ！？、、玲於、盗み聞きしてたの。』

玲『や、たまたまね、たまたま聞こえちゃっただけで。笑』

うわ、これ突っ込んじゃいけなかったやつじゃね？

なんかやけに重く感じる空気に、入っていった自分を殴りたくなった。

龍『、、玲於、お前確か明日1日オフやったよな？』

てっきり俺へのお説教を考えているとばかり思っていた龍友くんが
真剣な目でそう聞いてきたんだ。

玲『、、、つまり、そのAって子の安否を確認して欲しいと。』

龍『安否っていうかさ、ちゃんと笑顔で仕事出来てんのかってこと。
あ、もちろん作り笑いじゃアカンで！』

玲『いやそんなの分かんないんだけど？』

龍『分かる！！あの子、素直な子やから、玲於でも絶対分かるって！』

、、めんどくせぇ、
てか、なんで龍友くんが行かないんだよ。

そう聞いたら、僕が行ったら流れ的にストーカーみたいになるから、とか
意味不明な理由を聞かされた。

結局、今度龍友くんの奢りで焼肉の約束をした上で
俺はそのAちゃんっていう子の様子を見に行くことにした。