数原くんの最後の恋人 (ページ11)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:55,552 hit

11 ページ11

Aside

うそ、うそ
また、会えてしまうなんて。

「っ、、あ、あ、えっと、」

龍『指、大丈夫？』

目の前の彼が、自分の左手人差し指を右手で指しながら言った。
店内なのにキャップを被っているのはどうしてなんだろう。

「あ、は、はいっ！その節は、まことにお世話になり」

言いながら必死に頭を下げると
頭上から聞こえてきた、ぶはっ、っていう吹き出したような声。

龍『そんな慌てらんでええから笑
もの言いがしっかりし過ぎてて、、ごめん、笑ったあかんよな、笑』

目を細めて、笑ってるその姿に
私は湯気でも出るんじゃないかってぐらい体温が急上昇する。

「、、また、この店、来て下さったんですね。」

龍『うん、ここのお店すっげぇ美味しかったから。
メンバーも連れてこようって来たの。』

、、時々、標準語が混じってるのが不思議で
でも、この業界ならそんなの当たり前かって一人で自己解釈。

、、、、、、て、あれ？
今この人、

なかなか直視出来ずに床を見つめていた視線を
思わず上に上げると、しまった、とでも言うふうに自分の口元を手で押さえていた。

龍『、、いや、あの、、その、メンバーって言うのはですね、、』

「、、GENERATIONSさん、っていうことですか？」

小声で、震えるように尋ねると
今度はもっと驚いたように目を見開いた彼。

龍『え、もしかして、僕らのこと知ってたり、、』

「、し、知らないわけないですっ！、、」

つい2ヶ月ほど前までは、名前しか知らなかったくせに
長年のファンみたいな口調になってしまった。