60.nk side ページ10
nk side
『ぱぱっ!おかえりなさいっ!』
俺達が親父さんの後に続いて屋敷の扉を跨ぐと、向かい側からとてとてと走ってくる音が聞こえたと思えば俺らよりもうんと小さい女の子が親父さんに抱きついていた。
「ただいまぁA。良い子にしてたかぁ?」
『うん!いいこにしてたで!』
「そうかそうか偉いぞ〜」
きっと親父さんの腕の中で頭を撫でられて嬉しそうな顔を浮かべたこの子が、親父さんの娘さんなんだろうな。親父さんの表情が柔らかくなったのが見て取れたし。
「A?このお兄ちゃん達は今日からお前の新しい家族や」
『おにいちゃん?』
「そうや。ご挨拶出来るか?」
『はい!とうじょう Aです!5さいです!』
手をパーにして5歳という事を一生懸命に伝えようとしている姿はとても可愛らしいものだった。
「Aちゃん初めまして!中村 和真って言います。
Nakamuって呼んでねっ!」
「
「
「
「、、、
「
これが俺達とお嬢の初めまして。
全員兄妹なんていた事無かったから、こんなにも小さくて愛らしいお嬢のお世話が大半で良いのかとも思っていたけど、それ以上にお嬢が日に日に俺達と親しくなっていってくれた事が嬉しかった。俺子供好きだから余計にね。
親父さんの奥さん、御袋さんは思っていた以上に重い病のようで、もう、長くはないらしい。
そして仕事で中々娘の世話にまで手が回らない親父さんが俺達にお嬢の、Aの世話を任せてくれたんだって。
最初の方こそ、親に良い思い出のない、きりやん、しゃけ、スマイル、きんときの四人は幼い、それも女の子の扱いに苦労していたけど、お嬢の人懐っこさにすぐ虜になっていた。
やっとお嬢と親しくなった頃、
お嬢の母、御袋さんは、
帰らぬ人となってしまったんだ。
親父さんも病気だと理解はしていたんだろうけど、
やはり何処か寂しそうな背中を見掛けた事もある。
そして、まだ年長さんなお嬢は、とても優しかった御袋さんを失った虚無感は中々拭う事が出来ずにいた。
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます! (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです!そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます!! (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです! (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな!いつもコメントありがとうございます!頑張れます〜!(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒翠 | 作成日時:2022年2月8日 0時