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鬱島君と話している間に私の出番が近づいてきとった。
『そろそろ出番なんでお先に失礼しますね』
「そっかそっか程々にね〜応援しとるよ〜!」
間延びした声で微笑みながら手を振る鬱島君にちょっと悪戯がしたくなってしもた。
『ありがとうな、鬱君』
「は、えっ?」
少し笑ってそう言うと私は階段の方へと移動しに行った。
「それは反則やろぉ、、、」
彼がしゃがみ込んで両手で紅潮した頬を覆っている事も知らずに。
_____
階段を降りると直ぐの場所に居たみどりとレウが私に気付いて此方にやって来た。
「頑張ッテ」
「応援してる!」
『ありがとう二人共、頑張ってくる!』
二人の激励を受け取って別れた後、コートの側に同じクラスのチームメイトが徐々に集まってきた。いつもきょーと一緒にいる私には喋れる子なんておらんくて、つい壁に寄り掛かってみんなの様子を伺ってまう。ちらとコート付近を見回すと、コートの隣にあるステージにおったともと目が合った。
「(がんばれ)」
その応援に頷くと、ともは満足そうに微笑んだ。
私も、ともの応援でちょっぴり勇気が湧いた。
『あ、あの』
私に声を掛けられると思ってなかったのか、
目を丸くさせて此方に視線を注ぐチームメイト達。
『外野、とか、、、先に決めときませんか?
時間が掛かってしまっても何ですし、、、』
恐る恐るチームメイト達の顔を見てみると、
彼女達は快く同意してくれた。
『ありがとう』
そんな彼女達の様子につい心が温かくなり、お礼を言いたくなった。
「(え、A様が笑っ?!)」
「(尊、、、っ!!)」
「(この方が女神様か、、、っ!!)」
「あ!A〜!」
『マンちゃんさん。どうも』
「さっきの試合見とったで〜!一人で七キルは凄過ぎるめう〜!」
『ありがとうございます』
マンちゃんさんが二年生のおる第二体育館におるんは、生徒の出入りが禁止されてないから。役員の仕事の関係で他の体育館に出入りする生徒もおるからって事らしい。って、次私も第三体育館行かな。
『マンちゃんさんも、頑張って下さいね』
「ありがと〜!その応援だけで充分頑張れるめう〜!」
球技大会が終わったら、後日にでも前に言っていたスイーツ店に行こうと約束をしてマンちゃんさんとは出入り口で別れた。
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違和感を感じ、今までの"マンちゃん"から"マンちゃんさん"呼びに変更させて頂いてますご了承下さい。
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます! (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです!そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます!! (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです! (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな!いつもコメントありがとうございます!頑張れます〜!(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒翠 | 作成日時:2022年2月8日 0時