63.kt side ページ13
kt side
「A！遊ぼ！」
『あ！とも！』
お隣さん家の一人息子であるとも君はお嬢とは生まれながらの幼馴染らしい。親同士でも交流があったかららしいけど。
とも君のご両親は凄いと思う。ヤクザの親父さんと御袋さんと交流出来るなんて、とてもじゃないけど小心者な俺には無理だな。
『きんちゃん、お庭で遊んでもええ？』
「俺が付いてますんで大丈夫ですよ」
『やった！ありがとう！』
無邪気な顔で笑うお嬢に俺は胸を撫で下ろし、縁側に腰を下ろした。
小学校に入ったばかりの頃はまだ御袋さんの事で浮かない表情でいる事が多かったお嬢も、小学四年生になった今では十分回復したと言って良いだろう。
いや、どちらかと言うと頭でちゃんと理解出来たって言った方のが良いのかな？
お嬢が立ち直れたのはお嬢より一つ年上のとも君のお陰かな、なんて思ってお嬢と楽しそうに話しているとも君に目を向けると彼とぱちりと目が合ったが彼は直ぐ様お嬢へと視線を戻した。
「ねえA、」
彼は何気無い顔でお嬢の頬にキスを落とした。
『、、、あ！ごめんごめん挨拶するん忘れてたな！』
そう言うとお嬢も彼の頬にキスをする。
なんとも無い顔でやってのける二人に俺の頭の中は混乱していた。
「へへっ好きな人にはちゃんと挨拶しないとね！」
『うん！』
純粋なのか計算なのか。まぁ好きな人と言ってもまだ小学生の彼らにとっては単なるLikeの方だろうな。
「(んべっ)」
「(なっ、、、！！)」
お嬢をぎゅっと抱きしめるととも君は明らかに俺の顔を見て舌を出し、挑発するような表情をしていた。そんな彼に柄にも無く苛ついてしまっている自分が自分でよく分からなかった。
、、、いや、後から思えば持っていてはいけない感情に蓋をしてしまおうとしたのかもしれない。
というかあの幼馴染、絶対計算だろ。
あんなのが純粋だったらたまったもんじゃ無い。
ただでさえお嬢は俺達六人のハートを鷲掴みにしていると言うのに、幼馴染までとは、、、
思考を巡らし項垂れている俺の元へ影が差したかと思い前を向くと直ぐ其処にはお嬢が立っていた。
『はい！きんちゃんにもまだ挨拶してなかったな！』
お嬢が少し背伸びをして優しくキスしてくれた頬を撫でながら、
照れ隠しのように俺はお嬢の頭を撫でた。
そしてあの幼馴染にされたのと同じ表情で彼に返した。
勿論頭を撫でられて下を向いているお嬢には見えないように。
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます！ (2023年3月14日 0時) (
レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます！嬉しい限りです！そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます！！ (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです！ (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな！いつもコメントありがとうございます！頑張れます〜！(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒翠 | 作成日時：2022年2月8日 0時
