明日も君と、恋をしよう

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連休明けの1限目なんて




どうせ

大半がサボりで







端っこの席に座ってみたって
視界良好な見晴らしと







”Aー！”
”今日全休するーw”
”ノートお願いします( ；∀；)”







毎週おんなじこの文面に

押し出した溜息が淀む









いいよー、




なんて

言いたくなくて








スタンプで済ませる私は








少し


心が狭いのかもしれない









慣れない疲れで怠い身体を
ずるりと頬杖で支えて

伏せたスマホを指でなぞれば






「はよ！」






顔を上げさせにかかる声






「おはよ、岸くん」


「昨日はどーもっ」






へへ、と隣に座る岸くんは
朝から元気でご機嫌だ







「びっくりしたよ、ほんと」


「いやぁ、サプライズ的なね？」







得意げに口角が上がるけど

来れば会えるわけじゃないのに







「あのちょっと前まで、ずっとウラでお皿洗ってたんだよ」


「え、じゃあ昼に行ってたら会えなかったってこと？」


「そうそう」


「あっぶね。俺、めっちゃラッキーじゃん」






スマホを弄りだした岸くんに
昨日の写真を見せられて


画面のチーズケーキを横目に
リア充め、と冷やかしておく





「今日さ、一緒に昼メシ食わねぇ？」


「いいけど」


「志保と3人で」


「へ？」





滑り落ちる間の抜けた声





3人で、って

なんでまた






岸くんはまるでお構いなしで

俺さ、とパチリ瞬いて





「おまえとアイツ、相性良い気がすんだよね」





またもやお得意のドヤ顔






「……何を根拠に」


「オトコの勘ってやつ？」






グイッと差し出された画面では





”行く行くー！”




すでに話が進んでて

言葉のラリーは止まらない






「志保がさ、横の通りのラーメン屋行きたいんだって」


「ああ、あそこ？」


「アイツ、味噌ラーメン好きでさ」





そういえば

たしかあそこの看板メニューは
味噌ラーメンだったはず




私はいつも塩だから

食べたことはないんだけど






「やっぱり美味しいんだ」


「え、Aも行ったことねぇの？」


「や、たまに行くけど……」





あ、と動きを止めた岸くんが
キュッと唇の端を上げ





「わかった」





クルリ視線を持ち上げて





「おまえさ、醤油ラーメンしか食わないっしょ」


「……惜しい。たしかにいつも塩だけど」





そっちかぁ、とその目を細めると
また画面に指を落とした

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