明日も君と、恋をしよう【after】

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で？、なんて組まれた手は
メニューを退かせばすぐに置かれて





「どうなったのさ」

「どうって、」





じっとり絡め取られた目で
泳げない視線を返して

とりあえず軽く吸った息





「えーっと、」

「えーっと？」

「付き合うことに、なりました？」

「うぉっ、マジ？上手くいったの！？」

「まぁ、いちおう」






ただでさえクリってした眼が
瞬きにまた拡げられて

睫毛なっがいなぁ、なんて
にやけさせそうな頭を逸らす





「紫耀から告ったの？」

「そうだけど」

「なんてなんて？」

「別に、ふつうに」

「え、ふつうにって？」





こくり傾げられた首で
上目遣いが見つめてくるから

また溜め息を落っことせば




知らんカオで懲りない瞳






「ねね、なんて言ったの？」






この前Aちゃんの話をしたのが
そもそもの間違いだったな

絶対引き下がんないやつやん






「好きです、付き合ってください、って」






ひゃー、なんて覆う顔に

ジタバタ叩くスニーカーが
その身体ごとはしゃぎ立てて





「で？で？Aちゃんはなんて？」

「え、そこまで聞く？」

「もっちろん」





顎から沿わせた手のひらで
見事なまでのぶりっ子ポーズ

可愛いくない、とは言えないのが
なんか気に食わないんやけど





「なんてOKもらったの？」





どうせここまで来たんなら
あがいたとこでなぁ、なんて

結局は開き直るわけで





「ふつうに、」

「うん。ふつうに？」

「お願いします、って」

「ふぅぅ、いいないいなぁ〜」





やっとのことでちょっとおさまって
ひたすらニヤけてる海人に

息を吐けば落っこちる肩





思い出すだけでくすぐったくて
緩みそうで大変なのに

いっこずつ声に出すなんて
ほんとに堪ったもんじゃない





「で？それからそれから？」

「や、もうないんやけど」

「えぇっ！？もうおしまい？」





惚気話、なんて


さすがにまだそれはちょっとさ
ハードルが高すぎるのに





「チューできた？」

「でっ、きるわけ！」

「じゃあ手は？繋いだ？」

「あーっと、」





タイミングが悪いのか
なぜか素直に止まった喉は

もう誤魔化せるわけもなくて





「ほらぁ、なんかあったんじゃん！」






仰け反ってふやけたその眼は





「繋いだっていうか、」

「っていうか？」

「握手した」

「え、握手？」





そのままパチリまた開く

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