12 ページ12
.
「つっかれたぁ〜」
「わかったから寄っ掛かんなって」
「いいじゃん、減るもんじゃないしぃ」
「ええからほら、こっち座って」
掛かる重みをひっぺがして
「フルがこんなキツイなんて聞いてない！」
「はいはい、1日おつかれさん」
端のイスにその身体を置けば
また海人はむくれるわけで
「俺より着替えが大事？」
「めんどくさい質問やめて」
「しょおさぁ、ちょっと冷たすぎない？」
「別に普通やと思うけど」
ロッカーに帽子を放ってから
エプロンの腰紐を引けば
「いいや。Aちゃんに言っちゃお」
「は！？」
首元に掛かるままのエプロンが
振り向く勢いにだらり揺れる
「へへ、」
「や、へへじゃなくて」
「岸くんが教えてくれたの」
最近やたら来ると思ったら
やけに居座ると思ったら
なんてことしてくれてんの
「Aちゃんてさぁ、この前言ってたコのことだよね？」
「まぁ、そうだけど」
「で、結局どうなったの？」
くるりキラキラ見つめる眼
「なんか進展あった感じ？」
どういうわけか分からんけど
このまえもあっさり聞き出されたし
「今度メシ奢るから。そん時な？」
なぜか海人には敵わなくて
「えっ、いいの？ちょうどお腹ペコペコだったんだ」
「え、今日？」
「え、ちがうの？」
吐き出してみせたため息を
海人は諦めだと受け取ったらしく
俺の勝ちぃ、なんてはしゃぐ
まぁ、間違ってはいないから
そのまんま放置しとくけど
「俺ねぇ、焼肉がいい！」
「また？」
「えぇー、ダメ？」
「別に、いいけど」
1週間か、2週間か
そんくらいの違いで入った俺らは
扱いはほぼ同期なのに
ほんのちょっとのタイミングと
３つ離れた年の差で
都合の良い時だけ先輩にされて
「やっぱやめた、ファミレスがいい！」
「え、なに急に」
「デート代なくなっちゃ困るでしょ？」
そのくせ見せられる分かったフリが
否定できるものでもないわけで
ほんと、何かと厄介だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1786人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふとん(プロフ) - みあさん» みあさん、はじめまして。嬉しいお言葉をありがとうございます…！マイペースな更新でしたが、楽しんで頂けたこと、また読み返したいと思って頂けたこと、本当に嬉しいです。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました！ (2018年11月14日 16時) (
レス) id: f2078b86a0 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます...！ふとんさんの、暖かくて繊細な文章の綴りが本当に大好きで 毎回更新がとっても楽しみでした。大好きな作品なのでまた初めから読み返そうと思っております、これからも更新、新作共に楽しみにしております〜！ (2018年11月9日 1時) (レス) id: 82b4897c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふとん(プロフ) - ぴちさん» ぴちさん、ありがとうございます！！楽しく描いているので、そこに引き込むことができているならば私としてもとっても嬉しいです。これからも頑張りますので、お付き合いいただければ幸いです。 (2018年5月31日 21時) (レス) id: f2078b86a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴち(プロフ) - 控えめに行って天才すぎます！！読んでいてどんどん引き込まれました。これからも応援してます！ (2018年5月27日 4時) (レス) id: 677cdd452a (このIDを非表示/違反報告)
ふとん(プロフ) - ぷ にさん» ぷ にさん、はじめまして！一気読み嬉しいです、ありがとうございます！たくさん思いを込めているので、有り難いお言葉を戴けて嬉しいです。また最後まで頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです。 (2018年2月15日 21時) (レス) id: f2078b86a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふとん
| 作成日時：2018年2月13日 18時
