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ひとまず終わった注文に
メニューが持っていかれちゃえば
ぽっかり空くままのテーブル
今日は赤く塗られた唇が
開きかけて息だけ揺らすから
声に変わるのをただ待って
「あのね、」
不安がチラつかないように
ちゃんと受け止めれるように
うん、って返しただけの目元を
気を向けて柔らかくさせる
「女の子の日、って言って、通じる？」
「えーっと？」
女の子の日、
「あ、」
つい口元がぽかり開けば
瞬く先の眼は下へと落ちて
「ごめん、えっと、」
利かない気が空回す喉
思ったよりなかった免疫は
手のひらをデニムへと擦り付けて
迷う眼を前髪がよぎる
「お腹痛い？」
「ううん、今は大丈夫。薬飲んだから」
「そっか、」
まだ回りきらない頭は
瞬きしかさせてくれなくって
置いてけぼりの詰まる舌
「ごめんね、それでちょっと……泊まるのは無理そうで」
「ううん、や、謝んないで？」
合っては外れての視線が
慣れない顎を錆びつかせて
喉まで張ってる気がするけど
なんとか水気を飲み込んで
どうしよ
どうしたらいい？
そうですかって引いちゃうのは
やっぱそれは違うだろうし
まず普通に心配だし
てかさ、
薬まで飲んだなら
病人扱いでよくない？
「俺がそっち行くのならアリ？」
「え？」
「でもあれか。ひとりのがラクとかある？」
瞬きに揺れて探る眼で
飛ばし過ぎた、って反省
「アリなら行って看病する。で、ナシなら大人しく送って帰る」
「えっと」
「あ、看病よりお世話のが合ってるかも」
説明したのはいいものの
伝わりはした思い付きは
わかりやすく戸惑わせてて
「ごめんね？どっちがいいか分かんないからさ。丸投げみたいで悪いんだけど、Aが選んで？」
言ってから乾き出す唇に
掴んだグラスを当てがえば
その手も小さく水を流して
戻る視線に喉が揺れる
「じゃあ、……あり、で」
「いいの？ほんとに？無理してない？」
「こっちこそ、ほんとにいいの？」
そろり覗いて応えた目は
やっぱしゃんとは張れてなくて
もたれきるのはまだな距離
「当たり前じゃん。甘やかしたげる」
ちょっと肩をすくめてみれば
やっと緩く月を描くその眼が
気の抜けた胸をくすぐった
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ふとん(プロフ) - みあさん» みあさん、はじめまして。嬉しいお言葉をありがとうございます…！マイペースな更新でしたが、楽しんで頂けたこと、また読み返したいと思って頂けたこと、本当に嬉しいです。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました！ (2018年11月14日 16時) (
レス) id: f2078b86a0 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます...！ふとんさんの、暖かくて繊細な文章の綴りが本当に大好きで 毎回更新がとっても楽しみでした。大好きな作品なのでまた初めから読み返そうと思っております、これからも更新、新作共に楽しみにしております〜！ (2018年11月9日 1時) (レス) id: 82b4897c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふとん(プロフ) - ぴちさん» ぴちさん、ありがとうございます！！楽しく描いているので、そこに引き込むことができているならば私としてもとっても嬉しいです。これからも頑張りますので、お付き合いいただければ幸いです。 (2018年5月31日 21時) (レス) id: f2078b86a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴち(プロフ) - 控えめに行って天才すぎます！！読んでいてどんどん引き込まれました。これからも応援してます！ (2018年5月27日 4時) (レス) id: 677cdd452a (このIDを非表示/違反報告)
ふとん(プロフ) - ぷ にさん» ぷ にさん、はじめまして！一気読み嬉しいです、ありがとうございます！たくさん思いを込めているので、有り難いお言葉を戴けて嬉しいです。また最後まで頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです。 (2018年2月15日 21時) (レス) id: f2078b86a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふとん
| 作成日時：2018年2月13日 18時
