明日も君と、恋をしよう【after】

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覚えてるかわかんないけど、って
ちょこっとだけ下げられた眼は

またすぐ俺に戻ってきて







「イヤなことでもあった？、って。聞いてくれたことがあって」

「あ、……ペットボトルの？」

「そうそうそう、その時」








覚えてたんだ、って挟まるのが




なんか

ものすごく嬉しそうで









「あの時ね、紫耀くんが出てくれてよかった」








チラつく背負わせてきてた不安に

自分に嫌気が刺しかけるけど








「ちゃんと言いな？ってさ、私の今を見てくれたから」







続いてく声を乗せた瞳は

ちっとも責めてはこなくって








「だから溜め込まなくて済んだし、すごい、すっごいラクになったの」







ただ


煌めいてみせるから







「今更だけどね、ありがとう。ちゃんと今を見てくれて」







くすぐった過ぎる言葉でも





「ん、」





跳ね除けたりなんかしないで
素直に受け取れるみたいだ






「どういたしまして」







うん、って頷いたAは

ちょっぴりすくめておどける肩で
揺れる髪をサラつかせて



シーツをするり撫で付ける手







「ん、いい感じだね」







ベッドに乗っけてた掛け布団を
いっぱいに抱え込んじゃって

よいしょー、なんて上げる声で
引きたてのシーツへと落とすから






「よし、完成！」






はにかむ眼に息が詰まって


おかげで薄くなった息に
瞬きと鼓動が崩れる






「A、」






ん？、って上がる口先は
敷いた布団に満足気だから

申し訳なさもあるけど






「今日さ、そっちで寝ちゃダメ？」







でも、


やっぱガマンできなくて







「そっち？」

「うん、」






分かってなさそうな視線に
伸ばす掌を追わせて






「こっち」






ぽすりベッドに跳ねる腕







「ここで一緒に寝たい」



「えっと、」

「ね、だめ？」







瞬きに逸らされちゃうから
ついた膝のままで進んで

目の前で瞳を覗き込む






「あの、」

「ん？」

「近いって」

「恥ずかしい？」






髪を梳きかけたその手を
伸ばす掌で捕まえたら

降ろしながら指を絡めて




腿の上に乗っけてみれば

やっとチラリ戻ってくる眼







「なーんもしない。くっつきたいだけ」

「うん、」

「くっつくけど、ほんとにくっつくだけだから」

「うん、……うん」







瞳が逃げては当たって

絡めた指は硬いままで






「いい？」





うん、って結ばれた視線に
唇が上がるのがわかった

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