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かたまくら×バス ページ5

.








いっきに人が降りたバスは
まさかの貸し切り状態で

紫耀と私が揺れるだけ







「寝ちゃいそうだね」

『うん、普通に眠い』

「寝ていいよ?」

『や、まだいける』







すっかり重たげな瞼に
あくびの水気を滲ませて

それでもなんとか開けた眼が
私越しに窓を覗く






『あ、月みえた』

「え、どこどこ?」

『あのさ、橋の横のビルの上』








見つけた浮かぶ半月に
あった、ってつい綻べば

キレイだねだなんて言うから
視線は紫耀へと帰って







『ん?』

「ううん、なんでも」









絡んで持ち上げられた眼に

鼓動ごと跳ねた息を飲む








.








ビルの灯りを見るフリして



チラリ

紫耀を盗んでれば








かくり、こっくり、揺れだして









「寝る?」

『うん、ねる』






聞いた返事のすぐあとで
あっさり肩へと乗る頭







……思ってたより、くすぐったい








『ねぇ、』

「ん?」

『マジでねちゃうよ?』

「うん、いいよ?」






んんん、なんて潰す声で
グリグリ擦り付けてくる頭が

さわり首筋を掃くから



堪えるのに強張った手で
膝にできちゃう握りこぶし







ようやく落ち着いたらしい紫耀は

良いポジションに収まれたようで
すっかり動かなくなるのに






『ふふ、くすぐったかった?』






ごめんねって付け足す声は
きっと半分夢の中






「大丈夫だよ」

『ん。ん、』






握ったまま緩みかけてた手に
紫耀の掌が重なって

隙間に指がねじ込まれれば




恋人繋ぎのできあがり









寝落ちしそうに眠たくても
力って入るものなのか

なんて感心の瞬きは








たまにおでこを押し付けたり

頬っぺを肩に擦り付けたり






やけに甘えたになる紫耀が
パチパチ回を重ねさせる









.









残るバス停は

あと3つ






このまま着けたらいいなって
覗いた月に願ってみた

うでまくら×ベッド→←おしりまくら×カーペット



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作者名:ふとん | 作成日時:2019年3月14日 18時

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