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『せーんぱい?』
あーあ、
また寝ちゃった
部屋着越しに抜ける熱とか
動けば流れちゃう髪とか
クッションとは大違い
下手に息さえできなくて
抑え込んでの深呼吸に
平気で預けられてる背中は
こっちの気なんて知らないで
だから、なんにもできなくて
『マジ褒めて欲しいレベルだわ』
ちっちゃく文句を落としても
どうにもならないから困る
かくり傾く首元が
横顔をチラ見させてきて
くっつけた鼓動が急げば
起こしちゃいそうな気がして
ジリジリずらした肩で
また胸元へと寄せさせて
戻してみるちっちゃい頭
なんで、
こんな違うんだろ
俺の胸に収まっちゃう肩に
熱をぼんやり透かす肌
おまけに眠った唇は
ちょっとの隙間を覗かせて
.
すっかり任され切った身体に
嬉しいような、
悔しいような、
どっちつかずの攻防戦
.
リモコンにも届かなかった手は
気を紛らわせもできなくて
ため息にブレた視線が
ネイビーのスマホケースに止まる
……これくらい、許してもらお
勝手に開けちゃうカメラで
傾けて向けるインカメに
開かない瞼を確かめてから
おんなじ画面におさまって
カシャリ
そのまま写させた
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作者名:ふとん | 作成日時:2019年3月14日 18時