ふたつのいと 6

6-29 ジャグジーと、アルコール ページ29

6-29 ジャグジーと、アルコール







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「いいよ。」








乳白色のバスボムでも入れてればよかった、と後悔しても後の祭りで。









ジャグジーの目の前の窓ガラスに薄く写る隆二さんの姿。









恥ずかしくて、目を瞑りました。









丸まるように体を折り曲げて、広いジャグジーの中で体操座り。









その横に座る隆二さん。









「横だと大丈夫そう？」







少し笑いながら、グラスを私に。









『今、恥ずかしすぎてのぼせそうです』









「顔真っ赤だもん」









グラスにゆっくりとパチパチと音を立てながら注がれる。







『あ、注ぎます』






隆二さんからボトルを受け取り、今度は私が隆二さんのグラスに。









「ん、ありがと」









カチンとグラスを合わした。









一気飲みしてしまいたい。





酔ってしまえば、恥ずかしさも、どこかへ行ってくれるかもしれないから









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ボトルが空になった頃、








交わしたキスは、








アルコールの味だったことしか覚えてない。









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「おやすみ」









そう聞こえた、はず。

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