ふたつのいと 5

5-13 猫と、隆二さん ページ13

5-13 猫と、隆二さん





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カシャンと軽く閉まる音。






私の家のような鎧のような音ではなくて。







「どうぞ」






なんだか隆二さんはよそよそしい。






私の家じゃ、びっくりするぐらい、自分んち感覚なのに、




本当に自分の家なのに、よそよそしい。







リビングの大きいソファ。








「座りなよ。あ、なんか、飲む？」





『はい、いただきます』





隆二さんは、キッチンに行くも冷蔵庫を開けて





「あ〜」っと、残念そうな声。







『ん？』







「なーんもない！水か、ビール、ワイン…と、シャンパン、ぐらいしか。」








『お酒ばっかりですね』









「ほぼ貰い物だけどね。」









『じゃ、私、買ってきましょうか？』









「いや、俺買ってくるよ。くつろいでて。テレビでも、DVDでも好きなの見てていいから。」









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なんとも、お互いによそよそしさ半端ない。




隆二さんが隆二さんじゃないみたい。






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今から、なんて切り出そう。






目の前のローテーブルの上に置かれたテレビのリモコン。






それの、電源ボタンを押すと、勝手に流れ出す、DVD。









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それは、隆二さんの仕事をしている姿で。









映像確認でもしていたのかな。





ライブ映像で、







高い所に立って、広臣と二人だけ。

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