ふたつのいと 3

3-7 スピードと、夢の国 ページ7

3-7 スピードと、夢の国



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その、自分ではない呼吸音と同じスピードに合わせて、眠りにつく。




人の呼吸に合わせると眠れる、らしい。


昔々に、ある人から言われた。









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『ん〜………』




陽の光がカーテンの隙間から差し込む。




あれ、一番嫌い。


寝たいのに、太陽が邪魔をしてくる感じ。


起きろー！朝だー！って言われてる気がする。




『んっもうっ！』



なかなか開かない目を擦りながら隙間の開いたカーテンをシャッと、閉めて、またベッドにダイブする。



｢いって……｣





『わっ！』




｢もー、何？うるさいよー、A…｣





『あ、忘れてた……』




｢…今何時だよ……｣


隆二さんは、携帯を光らせて時間を確認。




｢まだ7時じゃん……おやすみ｣







ダイブした私を抱き枕のように足を絡ませる、隆二さん。




『え？…あっ、』




｢うるさい。寝ろ。｣



隆二さんは目を瞑ったまま、グッと、腕に力を入れて少し離れてた隙間を埋めるように引き寄せた。



私の頭はまだ半分以上眠っていたようで、






そのまま、暖かくて、優しい腕と規則正しい呼吸音に夢の国へと引き戻された。

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