ふたつの太陽、二つの月

十八 ページ19

午前中は、五組の発表を見て、そのままお昼休憩へ。

邦楽、Ｊｐｏｐ、Ｋｐｏｐ、色んな歌を歌っていて、趣味や遊びの範囲でやってきた私たちとは、断然レベルが違う。

ダンスでも、本業か何かなのか、バレエとかヒップホップとか、いろんな系統が混在してる。

…………大丈夫かな。楽しむって言ったって、その、こう、何だ。格の違いというか、何というか。

「お昼買いに行こう！Aちゃん？生きてる？死んでる？！」
『……おー』
「Aちゃぁぁぁん！！！戻ってきて！」

悶々と考え続けながら、翼に引っ張られて外へ。係員さんに見送られ、向かい側のコンビニへ。

財布の中身と相談しつつ、おにぎりを二つ、豆乳のパックを一つ、手に取った。やっぱ、いつものでいいか。

「少ないねぇ」
『翼が食べすぎ』
「ぶー、いいもん！この後動くしぃ」

この後のお八つも入っているのか、私の二倍ぐらいの量を持ってレジに向かう翼。

ただ、お昼時だからか、レジが猛烈に混んでいるので、私は並ばず、そのまま店内をうろつく。

特に意味もなく商品を眺めて歩く。

「麻璃央ぉ、おごってぇ」
「やぁだね！自分で買えって、あ、Aちゃん。君もお昼？」

突然聞こえた声に驚き、肩が上がった。

直接相手の顔を見れる気がしないので、商品を見る顔を固定して、うなづいた。

「ちゃんと食べないと動けないから、食事は大事だよね。って、つばさ！さりげなく俺のかごに食いもん入れんなって！！」
「ばれたかぁ！」
「そりゃばれるわ！！じゃ、Aちゃん、頑張ってね！気楽に、肩の力抜けばいいから！」

軽く会釈を返して、二人がレジに向かったのを確認し、彼らとは逆側に進む。

まだ、レジの列は長い。すぐ食べ終わるし、もう少し、待っておけばいい。休憩時間も長めだから。

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