ただいま、僕らの初恋 (ページ8)

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かっこいいよねページ8

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カラオケに着けば、
それはもう大盛り上がりだった。

陸がふざけて、悠木がツッコんで、
それに乗っかってハナもふざけ始める。

ロシアンルーレットのたこ焼き頼んで、
ちょっとビビりながら口に入れたけど
俺のは普通に美味しかった。
すると「辛い！」って声が聞こえて、
隣で香山さんがヒーヒー言っててまた笑って。

先輩の曲ノリノリで歌ってたら、
陸に茶化された。
和田さんが「歌上手いんだね」って。
それに陸が「こいつ、ジャニーズの卵」
って返したとき、
目ん玉落ちそうなくらい目を見開いてた
和田さんの顔、めちゃめちゃおもろかった。

しばらくして和田さんが
コップ持って立ち上がって、
ジュース汲んでくるって。

俺も丁度空になったし、
一緒に行くって言って
ふたりでドリンクバーに向かった。

「驚いた。道枝くんって、凄い人だったんや。」

駿佑「いやいや。俺なんて全然。」

「そんなこと無いよ。私からしたらほんまに凄い。」

駿佑「…………ありがとう。」

面と面向かって褒められることって、
そうそうあるもんじゃないから
ちょっと照れくさかった。

「どうして、ジャニーズに？」

ふと、和田さんからそんな質問が飛んできた。
和田さんのコップはまだ空で、
視線は、どれにしようかとジュースの間を
ゆっくり動いている。

俺も、自分のコップに組んだコーラを見詰め
思い返すように呟いた。

駿佑「……ジャニーズの、山田涼介くんって人が、金田一少年の事件簿をやってて。あっ。ドラマなんやけど。俺が12歳のとき、やったかな。」

「ああ、見てたよ私も。それ。」

駿佑「ほんまに？…そう、それ見て、衝撃を受けたというか、めっちゃかっこええなって。憧れて。」

「……そっか、そうなんや。」

駿佑「俺も、って思ってん。時に役者で、時にアイドルで。俺も、あんな風になりたいって。」

「ふふ、……かっこいいよね。」

駿佑「そう！ほんまに山田くんってかっこよくて……」

「んーん、道枝くんが。」

駿佑「え？」

「夢を持って、夢を追ってる人はかっこいい。だから道枝くんも、きらきらしてて、凄くかっこいい。」

時空が歪んでいるみたいに、
彼女以外の物がぼやけていく。

心臓がぎゅっと掴まれたみたいに苦しい。

こちらを見て笑う彼女は、
やっぱり天使みたいな子で、
眩しくて、それでいて綺麗だった。