ただいま、僕らの初恋 (ページ22)

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救護室ページ22

．

結局その後も、
俺は和田さんには会えなかった。

班行動のときも、和田さんは居ない。
いつもハナの隣にいるのに、
ハナも今日はリコと一緒にいる。

気になって何回か
和田さんは？と聞いたけど
ハナは曖昧に、
まだトイレじゃない？とか
先生のところかな？とか誤魔化すばかり。

流石にトイレ長すぎじゃないかとか
怪しんだりもしたけれど、
ハナは何も俺には教えてくれなかった。

駿佑「ねえ、和田さんどこか知らない？」

クラスの女の子たちに声をかける。
ハナが何も知らないのなら、
他の子に聞けばいい。

和田さんといつも一緒にいるハナが
和田さんがどこにいるか知らないなんて
そんなのあるはずが無い。

そもそもハナの答え方は
いつも曖昧で、
俺に隠しているようだった。

それなら自分で和田さんを探す。
それ以外の選択はない。

女の子たちは、救護室と言った。

駿佑「…………え。救護室？」

『うん。今日の朝熱出たって。』

駿佑「熱………」

『Aちゃん昨日の夜、雨に濡れて帰ってきたんやで。散歩してたら迷っちゃったんやって。』

『ちょっとそれ、ハナカに言うなって！』

『あ！そうやった……』

『ごめん、聞かなかったことにして！』

今が自由時間で助かった。

女の子たちにありがとうと頭を下げて、
思いっきり走る。
コテージに入り、テラスを通り抜け、
階段を駆け上がった。

たどり着いた先はもちろん、救護室。

一度深呼吸をして、
少し重たい木の扉をゆっくりと開けば
日当たりのいい窓側のベッドで
すやすやと眠る和田さんの姿が見えた。