ただいま、僕らの初恋 (ページ16)

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ショックページ16

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「別に、何とも思わへんよ。やって私、道枝くんの友達ですらも無いみたいやし。」

ハナ「それ、拗ねてるように聞こえるんやけど。」

「……もう、ハナちゃんさっきからなに？」

ハナ「…………別にー。Aには、幸せになってほしいだけ。」

「…………ハナちゃんお母さんみたい。」

ハナ「こんな手のかかる娘は嫌！」

「ひどい！」

さっきまでのピリッとした空気は無くなって、
いつもみたいに二人で笑っていた。

でもハナちゃんには言えなかったけど、
ちょっとだけ私の心の中は
モヤモヤした何かがあった。

「俺、和田さんのこと、好きになってもええ？」

綺麗に洗ったじゃがいもを切りながら
あの日、道枝くんに言われたことを思い出す。

もし、私と道枝くんが友達じゃないのなら。
私と彼は一体何だって言うんだろう。

他人、知人、ただのクラスメイト。
そのどれにも該当してしまう。
確かに、一ヶ月そこらの付き合い。
友達と呼ぶには、まだ浅かっただろうか。

だけど確かに、
私は彼と秘密と呼べるものを共有した。
指切りげんまんだってした。

それなのに友達かも危ういと言われてしまうのは、
かなりショックだ。

胸が痛む。ちょっとだけ苦しい。

じゃがいもを切る手を止め、
視線をひとつ前の調理台に移すと
そこには楽しそうに笑う道枝くんと香山さん。

その光景は、なんだかとっても
眩しくて、私の胸を更に痛ませるだけだった。