ただいま、僕らの初恋 (ページ2)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:12,746 hit

和田さんページ2

．

駿佑「へえ、中一の時同じクラスやったんや。」

ハナ「そう。可愛いやろこの子。Aやで。」

「…はじめまして。和田A、です。」

駿佑「道枝駿佑です。ハナとは小学校が途中まで一緒で。」

「あっ、そうなんですね……へえ〜…。」

駿佑「……。」

「…………。」

駿佑「え、っと……。」

ハナ「コミュ障のバトルこわっ！」

どうやら和田さんも俺と同じく
人見知りをするタイプなようだ。

さっきから
きょろきょろと視線が泳いでる。

ハナ「HR終わったら前髪直し行こう。」

「助かります。……席、ちょっと遠いのやだな。」

ハナ「大丈夫やって。歩数的には7歩。」

「ハナちゃんの隣か前後が良かった。」

ハナ「駿佑と変わる？」

「……変わってください。」

駿佑「あっ。どうぞどうぞ。」

ハナ「ちょっと！笑」

まだ尚前髪を抑えたまま、
ハナにつられたように
くすくすと笑う和田さん。

先生もう来るかな、またね
って言ってくるりと体の向きを変えたとき、
その弾みで、高めの位置で
ひとつに結ばれている髪の毛が
さらりと揺れた。

じっ、と揺れる髪の毛を目で追う。
癖ひとつない、真っ直ぐで綺麗な髪。

和田さんの席は窓際の一番後ろで、
今日はよく日が当たってる。
まだ前髪は抑えたまま、
眩しそうに細められた瞳に
喉がごくりと鳴った。

髪は陽の光が当たって、
きらきらと茶色に光っていた。