ふたりのカタチ《Kei.I》

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啓介さんとのお付き合いはすごくすごく順調で。


お互いの家を行き来するようになって、うちに啓介さんの物が増えるようになってきた。




ずーーーっと馬鹿みたいに好きだったあの人のことを

今はあいつのどこがよかったんだ！と笑い飛ばせるほど完全に吹っ切れたし。



今は幸せ真っ只中。



神様、ありがとう！！！！と、いくらかお金を包んで渡したいくらい。




そんな『ルンルンハッピー！わたしリア充でぇす！！！』な時に、

久しぶりに伊野尾に会った。





「これうま！！」


慧「食べ過ぎんなよ、ブタになるぞ」


「いや、そこせめて子ブタにしてくれ」





いつも通り、くっだらない事を言い合いながら100均のコップでビールを飲む。



お互いの近況報告をしたり、

『高校の時のあの子が結婚した』とか、『子どもが産まれた』だとか。


至ってフツーのことをフツーのテンションで話していた。





お酒が進んで行って、ふとしたタイミングで伊野尾が訊いてきた。




慧「Aさ、まだ付き合ってんの？」


「おかげさまでね！！」




わざとらしくドヤ顔するあたしを見て「そっかぁ」と笑う伊野尾。




でも、なんか変。

いつもと何かが違う。



なんとなく違和感を感じながら話を続ける。





「あたしにしては長く続いてるの！！！」





すごく大切にしてもらってるし、

私も彼のこと大好きだし。



全てが上手くいってる。





「なになに！？リア充の惚気でも聞きたいか！？」




フンッ！と鼻息荒めで伊野尾の目の前に座るけど、

今日は何も反応しない。



いつもだったら、「しょーがねぇなぁ」なんて嫌そうな顔しながら聞いてくれるのに。






「…なに、どうしたの」


慧「いや、Aのために言うけどさ…」





そこで口ごもる伊野尾。



おいおいおい！！！


なんだよ、モジモジしやがって！！！

いつもみたいにハッキリ言えや！！！





慧「アイツはやめときな。」


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